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テーベの東 ★★★★★ ゲーム紹介 2012年4月19日
発掘の喜怒哀楽を見事にゲーム化した考古学発掘ゲームの傑作!

<基本情報>
【 タイトル 】 テーベの東(原題:Jenseits von Theben)
【 作 者 】 ピーター・プリンツ【プレイ人数】 2~4人【プレイ時間】 50~100分【 対象年齢 】 10歳以上【受賞歴など】 2007年 ドイツ年間ゲーム大賞 ノミネート,2007年 ドイツゲーム賞 9位
2007年 日本ボードゲーム大賞 フリーク部門 3位 入門者部門 2位
【入手・プレイ状況】 ボードゲームショップ パティークローバー で購入【個人評価(2人プレイ)】 ★★★★★ うちではずっと「好きなボードゲームランキング不動の1位」であり続けているゲームです。
発掘を楽しさのメインにしつつも単なる発掘ゲームではなく、考古学の悲喜こもごもを
全部ゲームにしたような感じで、「時間」という概念をうまくゲームに取り入れたことにより
発掘現場主義や学会・知識などの学問重視など、いろいろな方向性で勝利を目指せます。
限られた時間の中で1人の考古学者を疑似体験しているような楽しさがあります。
そしてなんといってもこのゲームの1番の楽しさは「発掘」です!
巾着袋の中に手を突っ込み、じゃらじゃらとたくさんあるタイルの中から「これだ!」と引いて
当たりを引き当てたときの嬉しさ、ハズレを引いたときの悔しさ!これぞ考古学ロマンですよ!
ゲームの間中、ずっとインディー・ジョーンズのテーマが頭の中で鳴ってますからねw
1本のゲームとしてみた場合、ソロプレイ的であったり、発掘は結局運じゃないかとか
好みの分かれるポイントは確かにあると思います。でもそれを超えた楽しさがありますね。
古い地図風ゲームボードや綺麗なカードを見てこれからの冒険を想像するだけで心が躍り
巾着袋の中から発掘品を探し出すときの手の感触を想像するだけで胸が高鳴る。
そんな素敵なゲームです。
【個人評価(4人プレイ)】 ★★★★☆
4人で遊んだときのゲーム的な評価をさせてもらうと2人で遊んだときよりも少し落ちるかな
というような感じでした。
うちは2人で遊ぶことが多いので、プレイ人数が増えるとゲーム内の期間が1年減ることや
発掘で競合する人が増える分、発掘での当たりがへってしまって発掘での楽しさの爆発力が
少し落ちるように感じたのがその原因かな~と思ってます。うち特有の印象かも知れません。【ゲーム内容】まず最初に謝らせてください。好きなゲームで熱くなり過ぎ、説明が長いですw すいません。
また、以前に一度紹介記事を書いていたのですが、最初の頃に書いたものだったので
思っていたようなことがちゃんと書けていなくて、今回全面改稿というよりも新記事です。
(
→ 旧記事はこちらをご覧下さいね)
テーベの東は考古学の発掘をテーマにしたゲームです。基本的には発掘をして掘り当てた
発掘品が貴重なもの(高得点)であったり、発掘品の数が多ければ良いと言えるのですが
テーマとしては発掘単体ではなく発掘を含めた考古学の世界、というような感じなので
発掘以外の得点方法(知識をより多く持つ、考古学会を行なう等)があります。
要するに考古学の世界で最も功績を残した人が勝利する、というような感じです。
例えればそう!
現地住民やナチスに襲われず、
ピストルやムチの出てこないインディー・ジョーンズ そのもの!
ティーティティッティー ティーティティー♪
ティーティティッティー ティーティティーティーティー♪
ティーティティッティー ティーティティー~~~♪♪・・・あかん、あかん、いつまでも続きそうやったwまぁ僕の印象としてはこんな感じ!ってことです。すいません。
ゲームで使用するのは自分のコマ類、知識等カード類、発掘品タイル類で、それぞれ準備。
ここでの注意点はカードの山札を3つに分け、展示会カードは最初の山に入れない点。
プレイ人数にもよりますが、最初の山に入れない点は共通ですのでご注意ください。
(展示会の性質上、序盤に出ても仕方ないのでこのようになっています)
3つに分けた山札のうち最初に使う山札からカードをめくり、ゲームボード上の
決まった位置に置いておきます。下の画像でいうと右上のところですね。
なお、ここのカードが取られればすぐに山札からめくって補充を行ないます。
発掘品タイルから最初の発掘者へのボーナスである1点の発掘タイルを各色1つずつ抜き
該当する発掘場所のマスへ置いておきます。
プレイヤーのコマは、最初は全員ゲームボード都市部中心地点となるワルシャワに置きます。
時間を表示するためのマーカーは外周部分0の位置へ置きます。
スタートプレイヤーを決めたらゲームスタートです。
~ まずは発掘前の準備! ~ゲームの舞台はヨーロッパ~エジプト・地中海周辺で、都市圏では知識やサポートの取得等、
遺跡圏では発掘、というようにできることが分かれています。
手番では行いたいアクションがある都市まで自分のコマを移動距離に応じて1マス、2マス…
というように実際に移動させ、アクションを行います。

このゲームの面白い所に、アクションや移動について「時間」の概念を取り入れている点があります。
移動や各アクション実行時に1週単位で決められた時間を消費する必要があり、それによって
多くの時間を費やせばより良いカードを獲得できたり、発掘回数が増やせる等メリットがある一方
手番はより時間経過の遅い人(遅れている人)が行なえるため、あまりにも急ぎすぎると手番が
なかなか回ってこないというデメリットもあるのです。
時間(週)はボードゲーム外周部分にある1回り(=1年)52週の記載がされており
その行動に必要な週の数分自分のマーカーを進めることで表します。つまりこの外周部分で
最も後ろにいる人が、今の手番を行なえる人となるわけです。
なお、このゲームはプレイ人数によって遊ぶ年数(1年52週×何年か)が変わります。
(2人だと3年分フルで遊べますので個人的には2人プレイが好きです)
また、1年経過する(=52マスめを超えて2週目、3週目に入る)ときには発掘許可が
リセットされます(詳細後述)。全員が年度をまたいだら、年数表示マーカーも動かします。
(ゲームボード左端にある1901、1902、1903の部分のことです)
移動の結果、マーカーが同じマスの場合は重ね、一番上にある人が手番を行ないます。移動の場合は、ゲームボード上で移動したい先まで何マスかで必要週数がきまります。
都市ひとつひとつがマスのような感じであり、それらはゲームボード上に線のつながりで分かります。
そして移動したい先まで1マス、2マス、3マス、のように数え、そのマス数が必要週なのです。
一方移動した先で知識カードなどを獲得する際の必要週数はカードに表されています。
カードには下の写真のように「取得できる都市名」「必要週数」と「カードの効果」が
書かれています。取得できるカードはボード右上部分に4枚並べられていますので
その中から欲しいものを選んで獲得することになります。
具体的な流れとして下の写真を使ってご説明します。(左下の青い知識のカードです。)
まず、最初にカード上部の都市名を確認し、現在地から移動します。そのマス分の週を進めます。
(すでにその都市名のマスにいる場合は移動不要)
そして次にカードを獲得するために右上の数字分の週を消費します。今の例の場合は2週ですね。
それが終わればこのカードを獲得できるわけです。獲得したカードはカード下部に書かれている
効果として利用することができます。

知識カードは発掘において発掘回数を増やす最も大きな要素となります。
また、ゲーム終了時に「所持している知識の数が最も多い人」の得点にも影響するため重要です。獲得した知識カードは合計数が確認しやすいよう、ずらして重ねておくようにしましょう。

なお、色ごとの知識カードに似ているものとして「一般知識」のカードがあります。
開かれた本のイラストが書かれており、何の色、というものがありません。
平たくいえばオールマイティーカードのようなものなので非常に使い勝手が良いです。
(したがって、獲得に要する週数も割と大きな数字となっています)
具体的には、ある色の遺跡を発掘する際に、各色の知識数に、この一般知識の合計数を
プラスして計算し、その総合計がその色の知識数となるのです。
ただし一点注意点があります。それはこの一般知識はいくつ持っていても、カウントされるのは
その色ごとの知識の「現在の所持数と同数まで」ということです。
下の例がわかりやすいと思いますのでご覧下さい。
一般知識は、あくまでも一般知識。その地域の専門知識にはかなわない、ということですね。このまま他のカードも紹介させていただきますね。
知識カードの他はサポート的なカードがいろいろとあります。
①助手これは知識数を上乗せする効果があり、原則2枚セットまたは3枚セットで効果が出ます。
このカードを2枚持っていれば、発掘する際の任意の色の知識に+1、3枚なら+2できます。
持っている限り効果が続きますので、早めに取っていると効果が実感できます。
なお、1枚しか持っていなかったときは、使い捨てで使用し知識を+1できます。
助手になるために生れてきたようなこの表情!いい仕事しそう~♪②シャベルシャベルも前述の助手のように2枚または3枚持っていて効果が実感できるものです。
ただしこの場合は知識数が増えるのではなく、発掘回数をダイレクトに増やします。
知識はたとえ+1されても、必ずしも発掘回数が増えるとはいえませんが、シャベルは
直接発掘数にプラスできるため非常に強力です。これも早めに取りたいですね。
なお、1枚しか持っていなかったときは、使い捨てで使用し発掘回数を+1できます。
シャベルがない人は素手?、とか野暮な疑問は無しでお願いしますw③乗り物(2種)乗り物は発掘ではなく移動時にメリットがあります。
車は3マス以上という長距離移動時に移動距離-1として取り扱えます。
発掘場所は遠いのでたとえ1マスの短縮でも大きなメリットとなる場合があります。
序盤に手に入れておくと長い期間この効果を使えるということですので便利ですよ!
飛行船は、超特殊カードです。なんと1回限りですが、移動にかかる消費週数が0になります!
つまりどれだけ遠い所へも、1週も消費することなくひとっ飛びできるのです。
うわ~~~!これは欲しい!

とまあ、皆さんお気づきだと思いますが、
どれも欲しいカード なんですよw
なので、どれを優先的に取ろうかとか、相手に取らせたくないなぁとか迷って楽しいわけですw
④現地住民の助けこのカードは知識数にプラスされる使い捨てのカードです。色ごとにあり、知識を+2できます。
3、4人プレイなど知識カードが分散されがちな多人数プレイでは力を発揮しやすいですが
割と知識カードの集まりやすい2人プレイでは不人気かなと思います。
現地のことは現地の住人に聞け!これ冒険の鉄則。ジョーンズ博士もよく使ってますよね。最後に、特殊なカードとして同年度内に再発掘が可能になるカードがあります。
写真撮り忘れましが、あまり使った印象がないかなぁ。再発掘=ハズレ率高いですからねぇ。
と、まぁ以上がカードの説明になります。(残りの展示会と考古学会カードは後で説明しますね)
なお、もしも欲しいカードがカード置き場に無い場合、ワルシャワで1週を費やすことにより
ボード上のカード置き場に出ているカードを全て捨て札にし、山札からめくって入れ替えるという
カード置き場のリセットが行なえます。1週無駄に遣うことになりますが、たまに行ないます。
もしリセットしたカードも気に入らない場合は再度捨て札、引きなおし、ということができますが
このように続けて行なう場合は今度は2週の消費が必要ですので、さらにもったいないですね。
あーだこーだいいながら、都市圏で知識やサポートの獲得をし、準備できればいざ発掘へ!
発掘できる場所は全部で5箇所。ギリシャ、クレタ、エジプト、メソポタミア、パレスチナ。
地中海を中心とした超有名な遺跡ポイントばかりですね。
場所ごとに貴重品(高得点)の割合などがちがうので、付属の内訳カードでチェックです。
~ いよいよ発掘に出発だ! ~それでは、発掘に出発!
まず発掘したい場所を宣言してそこまでの移動を行ないます。通常の週消費ルールと同じです。

※場所ごとに最初の発掘者となった人は、ボード上に置かれた1点の発掘品タイルをもらえます。
そして発掘場所についたら発掘回数を決めます。この判断には発掘用のディスクを使います。
ディスク内部がぐるぐる回せる特殊な形態で、知識数、発掘にかける週数、発掘回数を
比較して確認できる優れものです。

具体的には、まず自分が所持するその発掘場所の色の知識数+サポートの数を出します。
この知識数等の合計値に該当する数字がちょうどディスク上部に表示されるように回します。
(下の写真の場合、合計が10だったということになります)
※知識等の合計最高数は12までですつぎに、発掘にかける週の数と、それに該当する発掘回数を見比べていきます。
下の例ですと、
1週=2回 、
2週=3回 、
3週=5回・・・という感じです。
※斜めからの画像のため、少しずれて見難くてすいません
※最低1週~最高12週までとなっています
その時点で発掘回数を何回にすれば、当たりが出そうか、ということを考え決定しましょう。
かける週数(=発掘回数)が決まれば、いよいよ発掘です!!
~ Let's 掘り堀り!! ~発掘は、対応する巾着袋から発掘回数分のタイルを引くことで行ないます。
巾着袋の中には貴重な発掘品(当たり)とハズレのタイルがじゃらじゃら入っています。
そこから中を見ずに引き当てるので、ここは完全に運試しです!
思いっきり念を込めて、これぞ!と思うタイルを引きましょう!
お~!点数はともかく3枚当たりを引きましたよ!1点、2点でもハズレよりマシ!
(残りの1つは色の知識でしたので、その色の知識のところに加えます)
別の場所の発掘チャレンジを見てみましょう!

ぐはぁっ!発掘率80%!神の手ですか!!でもでも・・・テーベの東あるあるネタ第1位は・・・・・・!!
これこれ!全ハズれwwwwww後半よくあるんですよね~。「最後の勝負に出る!」とか勇ましいこと言った直後に全ハズレw
とまぁ、こんな感じで悲喜こもごもなわけです。だからオモロイ!発掘について、よくできてるな~と思うのが「ハズレのタイルは袋に戻す」という部分です。
現実世界ではハズレが出るわけでなく、何も出なかったわけですから当然のことなのですが
これのおかげで「後になるほど埋蔵品は少なく、発掘品が出にくい」というリアリティーが
再現されているわけなのです。

例えば、最初は当たり10、ハズレ10の当たり率50%だったとしても、当たりが5つ出たら
当たりの残り5、ハズレ10(変わらず)となりあたり率は33.3%となります。
さらに当たりが3つ出たりしたら、当たり残り2、ハズレ10で当たり率16.6%・・・
というように、どんどん下がっていっちゃうんですよね。
だから、発掘に行くタイミングも重要なのです!
発掘は場所ごとに、1年度に1回となっています。発掘許可タイルを裏向け×を表にします。
これでこの場所は次年度になるか、再発掘のカードを使うかしないと発掘できません。

さて、発掘で得た発掘品ですが、それ自体が記載の得点であることに加えて展示会カード獲得の
条件としても利用価値がありますのでご説明します。
展示会カードは、他のカード類と同じ山札に準備段階で入れられていますので、通常のカードを
補充するときに山札からめくられて出てきます。ただ、他のカードとは別に扱うためボードの
左下あたりにある展示会カード置き場に並べていきます。
新しいカードがめくられたら、前からあるカードをひとつ矢印方向にずらして置くことになり
先に出たカードが置き場から押し出されることになると、そのカードは捨て札になります。

展示会カードには展示会が開催される場所(=カードを取れる場所)、獲得に必要な週数に加え
獲得することでプラスされる得点、獲得に必要な発掘品タイルの種類と数が描かれています。

欲しい展示会カードがあったなら、まず自分が必要な発掘品タイルを所持しているか確認します。
OKなら、その描かれている都市まで自分のコマを移動させ、その移動距離に応じた分と
カード獲得に必要な時間を消費し、展示会カードを獲得します。

なお、あくまでも「展示会を開催して名声を手に入れた」といった感じですので、発掘品タイルを
捨て札にしたりする必要はありません。そのまま所持し続けます。
最後に、発掘品に絡むもの以外の得点である「考古学会」についてご紹介します。
この考古学会カードも、通常の知識カードや先ほどの展示会カードと同じように山札から出てきます。
このカードを取るためのも他のカードと同様にその都市まで移動し、取得のための週消費を行ないます。
考古学会カードは1枚持っているだけでは単に1点なのですが、カードに記載されているように
持っている枚数によって得点が加速度的に伸びていきます。
2枚で3点、3枚で6点、というように伸びていき、最高枚数の7枚では28点にもなります。
ここまで集めると1枚4点ですから、下手な発掘品よりも高い点数になるわけです。
特に2人プレイだと、自分が集めること=相手が集めることへの抑止力、となり結構重要といえます。

以上、大体説明終わりです。
さて、ゲーム終了のタイミングですが、全プレイヤーが最後の年度を終えたときです。
最後のアクションは最後の年の52週目のマスを1マスだけ超えることができます。
つまりそこまでしか週の消費を行なえないのです。この点にご注意下さい。
ゲームが終了すれば、得点計算を行ないます。以下のものを全て足します。
・発掘品タイルの得点を全て合計したもの
・5色ある知識の数について、色ごとに最も多い人にもたらされる得点
・展示会カードの合計点
・考古学会カードの合計点
この総得点が最も高かった人が勝者となります。
2人プレイ ゲーム終了時の様子。 タイルと知識カードだらけですごいことに。知識を集めるもよし。考古学会ばかり集めるのもよし。発掘バカになるのもよし。
世界観に浸って遊ぶことが好きな方は、ぜひテーベの東を体験してみてください!面白いですよ!
いつもコメントせずにこっそり拝見しております。
やおきんさんの熱い紹介に、思わずコメントしたくなりました。
これは欲しい!やってみたい!