1960:大統領になる方法 ★★★★☆ ゲーム紹介 2020年11月11日
大統領選挙の時期に遊ぶならコレですな。

<基本情報>
【 タイトル 】 1960:大統領になる方法(原題:1960:THE MAKING OF THE PRESIDENT)
【 作 者 】 Christian Leonhard, Jason Matthews【プレイ人数】 2人【プレイ時間】 90~120分【 対象年齢 】 12歳以上【受賞歴など】 2008年 国際ゲーマーズアワード 2人用ストラテジー賞受賞【入手・プレイ状況】 自宅でプレイ【個人評価(2人プレイ)】 ★★★★☆
アメリカ大統領選挙をそのままボードゲームにしたゲームなので、大統領選挙の時期に遊ぶとめちゃくちゃ高ぶります。
2人用長時間ゲームという結構ハードルの高いゲームですが、ゲーム自体も面白いので遊ぶ価値ありのゲームです。
ほぼユニークカードで言語依存も高く、カードドリブンシステムという長考になりやすいゲームシステムなので好みは分かれると思いますし、好きな方でも脳汁出まくりで疲れるゲームだと思います。
好きだと時間が過ぎるのあっという間ですけどね。
僕はボックスアート、ゲームボード、カード類、その他コンポーネントなどかなり好みなので楽しめましたが、嫁さんは頭から煙出てましたw
アメリカ大統領選挙の本格的なボードゲームでは最高峰(そもそもあまり無い)ではありますが、欠点もそこそこあります。
まず視認性が悪いです。特にアメリカ50州をゲームボード上にほぼ忠実に表現し、かつそこにキューブ駒などが置かれていくため、盛り上がれば盛り上がるほどチェックする箇所が増える上に肝心の州の名前や選挙人数が見えにくくなります。
また、そもそも日本人にとってはアメリカの州になじみがなく、どこが何州か分かりくいためいちいちチェックが必要です。
さらに一番肝心な選挙人の獲得数も州によってバラバラで、なおかつ州の優勢争いのためころころ状況が変わるので、今現在の選挙人は何人取れているのかを見ているだけでめちゃくちゃ時間がかかります。
(デジタルゲームだったらピコっ!とすぐに選挙人の数が表示されて便利だろうなー!とめちゃくちゃ思いました)
欠点と感じる点は、総じて「アメリカ大統領選挙をできる限り再現した」結果、どうしても残さざるを得なかった部分だと思いますので、テーマを少し変えたら適度にデフォルメされて遊びごたえのあるゲームができそうですね。
ま、個人的にはその欠点を乗り越えてでも遊びたくなる、他に代えがたいゲームであることは間違いないんですけどね。
4年に1回、大統領選挙の様子を見ながらあーだこーだ言って夜な夜な遊びたいゲームです。
ぜひ興味ある方は遊んでくださいな。【ゲーム内容】アメリカ合衆国大統領選挙をテーマにした2人用戦略ゲーム1960年のケネディ(民主党)VSニクソン(共和党)のアメリカ大統領選挙。2人の対戦プレイヤーやこのどちらかを担当し選挙戦を戦い抜きます。
主なゲームシステムとしてはカードドリブンとエリアマジョリティ。
カードドリブンとは、出したカードを「強力なイベントカード」として使うか、「アクションポイント」として使うか選択するというゲームのシステムです。
エリアマジョリティとは、特定のエリアで多数派を占めることによる点数獲得などを目指すゲームで、このゲームでは実際のアメリカ大統領選挙と同じで、該当エリア(=州)の選挙人を優勢プレイヤーが総取りすることになります。
選挙人はこのゲームでは総数537。ゲーム中にどちらが優勢だのどうだのは関係なく、ゲーム終了時に過半数の269を獲得すればそのプレイヤーが勝利となります。
アメリカ地図をそのまま使っているようなゲームボードは雰囲気も最高です。手番では手札からカードを出しイベントかアクションポイントかを選択する全9ターン(ラウンドという方が分かりやすいかも)あり、6ターン目の「討論会」と9ターン目の「投票日」が特殊な処理をするため、通常のアクションを行ったりするラウンド数は7ラウンド。
プレイヤーはそれぞれカードを5枚ずつ使用するため、5枚×7ターン=35手番を使い、大統領選挙を戦うことがメインとなります。
各ターンでは、先手プレイヤーから交互に5回ずつ手番を行います。
イベントは強力ですが、使うとゲームから取り除かれるため1回限りのものとなります。
一方アクションポイントとして使用した場合は、捨て札山に捨てるため、後から回収できる場合があったりします。
アクションポイントとして選んだ場合、このゲームではCP(キャンペーンポイント)として書かれている数字の分だけ州の支持強化(キューブを置く)したり、地域のメディアを味方に付けるため使用したりできます。
オリジナルのカードは新聞風で雰囲気は良いですがやや視認性が悪いです。
頂いたカード和訳はオリジナルデザインで視認性も良くなっているので、こちらを使っています。※頂いたカード和訳は新版ではなく、訳者さん(日本一階段が有名なあの方)のオリジナルデザインでした!失礼しました。
ゲームの目的はそれぞれの州で優勢になり、その州の選挙人=得点を獲得すること。
1つの州にはどちらかの色のキューブ(支持者)しか置くことはできません。自分の色のキューブを置きたい場合は相手のキューブを打ち消して取り除き、それから自分のキューブを置くことになります。

ゲーム終了時点で、1個でも4個(最大数)でも、とにかくその色のキューブが置かれている陣営がその州の勝者となります。
接戦の州では置かれては取り除かれの繰り返しでどの色のキューブも置かれないケースがありますが、その場合は別の判定方法があるのでご安心を。
とにかくゲーム終了時には必ずすべての州がどちらかの陣営のものとなります。
ゲーム中、それぞれの州の支持状況はめまぐるしく移り変わります!第6ターン目には戦況に影響を与える「討論会」が待ち受けている!このゲームの面白いところは、本当の大統領選挙戦のように「討論会」がお膳立てされている点。
長い選挙戦の後半6ターン目に、5ターン目までとは全く違う討論戦を行います。
討論会のためだけに、別のボードをじゃじゃーんと用意します。討論戦といっても、もちろん実際にプレイヤー同士が討論するわけではないですw
実は各ターンで6枚のカードが配られます。で、手番は5回なので、カードは1枚余ります。
この余った1枚のカードを、討論会用にそれぞれプールしておくわけです。
それらのカードを3つある論点(軍事、経済、公民権)について双方のプレイヤーがカードを出し合い、論戦の優劣を決めることになります。
(詳細は割愛します)
討論会を終えたら残るは2ターンのみ!ラストスパートだ!討論会を終えると、残りの第7ターンと第8ターンは、手番で配られるカードが7枚に増えます。
ですがアクションはあくまでも5回ずつ。
残る2枚のカード×2ターン=計4枚は、最後の投票日のために(討論会の時のように)プールしておきます。
討論会で大きく戦況が変わっている場合もあります。
この段階で大体90分~120分ぐらい経過しているはずですので、頭から煙出ているかもしれませんが最後の投票日に向けてできることをやっていきましょう!Yes we canだ!(あ、これオバマか)。
第9ターンの投票日は神に祈るだけ・・・ではない!まだできることがあるぞ!!最終ターンは投票日を迎えるわけですが、7、8ターンでプールしていたカードを使い、最後の支持獲得チャレンジができます。
詳細は割愛していましたが、メディアだったりなんやかんやの力も加えて、まさに総力戦。最後のあがきです。
ゲーム終盤の様子それも終了したら、それぞれの州の優位者がその州の選挙人をすべて獲得して集計。
選挙人の数が多かったプレイヤーが勝ちです。
初プレイ時は約3時間。かなり濃密なゲームを楽しめました。
このゲームをプレイするとアメリカ大統領選挙も面白くなりますし、そっちに興味が出てくるとまたこちらを遊びたくなります。
興味がある方はぜひ一度遊んでみてくださいね!!