ウイングスパン ★★★☆☆ ゲーム紹介 2019年10月28日
能力連鎖をうまく使って、最高の野鳥保護区を作ろう!

<基本情報>
【 タイトル 】 ウイングスパン(原題:WINGSPAN)
【 作 者 】 エリザベス・ハーグレーブ【プレイ人数】 1~5人【プレイ時間】 40~70分【 対象年齢 】 10歳以上【受賞歴など】 ドイツ年間ゲーム大賞2019 エキスパート部門受賞
ドイツ年間ゲーム賞 受賞【入手・プレイ状況】 古本市場で購入【個人評価(2人プレイ)】 ★★★☆☆
【個人評価(4人プレイ)】 ★★★☆☆
鳥カードやコンポーネントの見た目も美しく、また、2大ゲーム賞を
ダブル受賞するなど、国内での発売前後にも非常に関心が高かった
ボードゲームです。
ゲームの内容などはあまり知らずに、話題性とたまたま入手できる
タイミングがあったので購入したのですが、評判通り見た目も綺麗で
ゲームとしても楽しかったです。
ゲームシステムの肝になるのは手札とリソースの管理、それに加えて
このゲームの特徴でもある能力連鎖の使い方です。
最初のうちはエサの獲得、卵の産卵、鳥カードの獲得などが弱いのですが
それぞれの区域に鳥を迎えることでアクション時の能力連鎖が起こるようになり
同じアクションを行ったとしても連鎖の有無で獲得数の結果などが変わります。
全4ラウンドを通し、各プレイヤーは26アクションしかできないため、
その限られたアクションの中にいかに連鎖をぶち込むかが肝心のゲーム。
見た目の可愛さ、プレイヤーインタラクションの少なさでほのぼのとした
ゲームに見えますが、実はこのあたりがとてもシビアなゲームに感じました。
遊べば遊ぶほど、1手番の重みを感じるような作りになっているため、
繰り返し遊ぶことで面白さが増すと思います。
2人プレイ、4人プレイの両方で遊びましたが、プレイヤーインタラクションが
それほど高いゲームではないためどちらの人数でも楽しめました。
ただ、獲得できるカードのカードディスプレイの回転数や、他プレイヤーの
特定アクションで発動するリアクション型アクションなどは、プレイヤー人数が
多いほど恩恵を受けるため、4人プレイの方が少しだけ楽しさが上ですね。
最後に。
自分もリアルタイムでは知らないですが、1990年代~2000年頃までの
ドイツゲームの2大賞は、システム面やプレイヤーインタラクションの面でも
上質で遊び継がれるようなゲームが数多く出ており、個人的にはその時代の
ゲームが最近のゲームよりは好きでよく遊びます。
そういうこともあって、ウイングスパンはゲームとしては面白さも感じましたし、
コンポーネントも良質でボードゲームとして良いゲームだとは思うのですが、
2大ゲーム賞をダブル受賞するゲームかな、と思うと小粒感を感じます。
ウイングスパンが過去の受賞ゲームと肩を並べるように永く遊び継がれるか、
日本語版が広まって皆さんに遊ばれればいろいろな感想が聞けそうですね。
日本でもボードゲームを遊ばれている方が爆発的に増えていますので
新作ゲームだけではなく、昔の受賞ゲームなども遊んでもらいたいです。
今のゲームとのシステムの流行の違いなどを感じてもらえると、ゲームを
楽しめる幅が広がると思いますよ!【ゲーム内容】ウイングスパンは、野鳥愛好家となって野鳥を自分の保護区に呼び込み
生態系をコントロールすることでより良い野鳥保護区を作るゲームです。

基本的には、このような鳥が描かれたカード(鳥カード)を自分の個人ボードに
置くことで、得点や様々な効果を得たり、目標を達成したりしていきます。
鳥カードは実に170枚で、1枚1枚イラストも中身も違います。
とてもきれいなイラストなのでこれを見ているだけでも正直楽しいですw

さて、実際の手番では、各プレイヤーごとに持っているアクションコマ(キューブ)を
ゲームボードのアクションスペースに配置することで、いくつかの効果を実行します。
大きく分けると、以下の4種類。
A、鳥カードをボードに置く
B、エサを獲得する
C、卵を産む
D、鳥カードを獲得する

以上のうちから1つを選び、アクションコマを行いたいアクションの位置に置いて実行。
それが終われば次のプレイヤー、という感じで、手番は進んでいきます。
ゲームは全4ラウンドに分かれていて、1ラウンドではアクションコマが8つ、
2ラウンド目は7つ、、、という風に1つずつ減っていくため、
全4ラウンドを通して26アクション行える、という形ですね。
さて、具体的なアクションですが、
A、鳥カードをボードに置く を実行すると、コストであるエサを払って指定エリアに
鳥カードを置くことができます。(追加で卵が必要な場合もあります)
鳥カードにはコストや生息できるエリア、固有の能力などが書いてありますので
どのタイミングで、どの鳥カードを、どのエリアに出すか、などがこのゲームの
主な考えどころといえますね。

B、エサを獲得する を実行すると、巣箱にあるダイスに該当するエサを獲得できます。
エサは全部で5種類あり、主に鳥カードをボードに出すために使います。
鳥カードにあるアクションを実行する場合に使うこともあります。
巣箱はダイスタワーになっていて、見た目もかわいいです。C、卵を産む を実行すると、ボード上にある鳥カードの上に卵を載せることができます。
卵は、鳥カードを出す際や、鳥カードにあるアクションを実行するために使います。

D、鳥カードを獲得する を実行すると、カードディスプレイか山札から鳥カードを
獲得することができます。

そして、このゲームの特徴的なところなのですが、あるアクションを行った場合
その列(3種類ある生息地)にある鳥カードの能力が、連鎖的に発動します。
例えば、下の写真の例ですと、D、鳥カードの獲得 を行った場合に
数字で示しているように、右から左に、順番に鳥カードの上に書かれている
能力を発動することができるのです。
これをつなげることで、限られた手番回数を有効に使うことができます。

このように、手番を繰り返していくことによって自分のゲームボードである
野鳥保護区を充実させていくわけですね。
なお、ゲームは4ラウンドで構成されている、と説明しましたが、それぞれのラウンドが
終了したときに、点数を獲得する機会があります。
目的タイルに示されている条件を、その時点で最も多く達成しているプレイヤーが
1位の点数、次のプレイヤーが2位の点数・・・という感じです。

また、説明が前後しましたが、各プレイヤーはゲーム開始時にボーナスカードを
持ってプレイを始めます。
このボーナスカードの条件でゲーム終了時に点数が入ります。
最初は何をしていけばよいか分からない、というような場合、この目的タイルや
ボーナスカードの得点を狙うことを目標に進めていくのも良いと思います。
使う目的タイルやボーナスカードは、ゲーム開始時にランダムに決めるため
この組み合わせによって毎回違ったゲーム展開になります。
というように、全4ラウンドをプレイし終わったらゲーム終了。
ゲームボード上にある鳥カード、エサ、卵、ボーナスカードや目的タイルの点
などが合計され、最も得点の高かったプレイヤーが勝者、となります。
ゲーム終了時の様子細かいルールは端折っていますが、大体こんな感じのゲームです。
点数を狙う方法がいくつもあるので、プレイヤーごとに特徴が出たり
連鎖が見事につながってゲームボードがにぎやかになったりと
マネージメントが面白いゲームです。
見た目も可愛くて女性や家族で遊ぶのにも向いているゲームですので
皆さんぜひ遊んでみてください。