チグリス・ユーフラテス ★★★★★ ゲーム紹介 2019年11月18日
個人的にはクニツィア先生の最高傑作ゲームだと思っています

<基本情報>
【 タイトル 】 チグリス・ユーフラテス(原題:Euphrat & Tigris)
【 作 者 】 ライナー・クニツィア【プレイ人数】 2~4人【プレイ時間】 90分【 対象年齢 】 12歳以上【受賞歴など】 1998年 ドイツ年間ゲーム大賞 ノミネート 、1998年 ドイツゲーム賞 1位 【入手・プレイ状況】 ゲーム会でプレイ【個人評価(2人プレイ)】 ★★★★★【個人評価(3人プレイ)】 ★★★★★【個人評価(4人プレイ)】 ★★★★★チグユー、チグユーと、ボードゲームファンなら一度は耳にしたことのあるこのゲームを
ずーっと前から遊びたかったわけですが、念願かなってようやく遊ぶことができました。
で、その結果は。。。めちゃくちゃ面白い!です。
初めて遊んだときはルールのシンプルさと手番プレイの悩ましさのギャップで
何をどうして良いかわからなかったのですが、何度か繰り返し遊ぶことで
ようやくこのゲームの面白さと奥深さを知った感じですね。
1手番には基本的にはタイルを置くか、指導者駒を置くかのどちらかを
2アクション分行うだけ、というめちゃくちゃシンプルなルールです。
それなのにその1手番がなんと重いことか。なんと深いことか。
今まで遊んでなくてごめんなさい、そして遊んでなかった俺のバカバカ!
クニツィア先生のゲームは意識して遊んできたのですが、過去に遊んだ
他のゲーム以上に、このゲームでクニツィア先生の天才ぶりを感じました。
ルール読んだだけだとこれで面白いゲームになるんかな?と不思議でしたが
逆に今となってはよくこのルールでここまで面白く仕上げたなというところに
驚きと尊敬の念を抱いています。やっぱり最高のゲームデザイナーですわ。
ただ、やはり一部のルール、特に戦争のところは分かりにくい部分があったり
他のプレイヤーの動きに引っ張られてもらい事故的に自分のプランが狂ったりと
コテンパンにやられてしまう回もあるので、万人にオススメはいたしません。
また、ゲームの性質上、視認性の悪さという多少のマイナス面もあります。
ですが、ぜひ一度は通ってもらいたい道の一つです。
プレイヤーインタラクションの塊、ひと手番の重み、文明の栄華と衰退。
ぜひともそういう世界を味わってみたい方は、このゲームを遊んでみてください。【ゲーム内容】このゲーム、細かいルールが若干複雑で、説明しだすとルールブック全部を
説明するような感じになっちゃうので、かなりかいつまんで説明しています。
簡単に言うと4色のタイルと、それに該当する4種類の駒を駆使して国を反映させ
点数を獲得していくゲームです。
手番では、タイルを置くか指導者駒を置くか、というような極簡単な選択肢から
2アクション選んで行います。
タイルや駒は一定のルールさえ満たしていればどこにでも置くことができますが
そのタイルや駒の1つのつながりを国と呼びます。
ある色のタイルを置いた際に、その国の中に同色の指導者駒が置いてあれば
タイルを置いたプレイヤーに関係なく、その該当する指導者駒を持っている
プレイヤーに点数が入ります。
できるだけ自分の指導者駒があるところにタイルを置きたいのですが、
そこはまぁいろいろな理由で、他プレイヤーに点数が入るとしても
タイルを置きたい、なんてことも起こるわけです。
1手番には2アクションですので、タイルを置くか指導者駒を置くか
選択肢は少ないながら結構考えて悩むところではあります。
また、特徴的なのは、1つの国には同色の指導者は存在できないという点。
1人のプレイヤーであれ、他プレイヤーであれ、1つの国に同色の指導者が
存在することができず、そのようなシチュエーションになった場合は戦争が起きます。
置き方によって戦い方が変わるのですが、同色の駒が1つになるまで戦争処理をします。
この戦争の際に、ひどい場合ではもっとも繁栄していた国が一気に吹っ飛んで
弱小国(タイル数の少ない国)になってしまうこともあります。というか、よくあります。
(ここが、このゲームの醍醐味でもありますし、好みの分かれるところでもあります。。。)

ただし、戦争は得点を伸ばす1つの方法にしかすぎません。
基本的にはタイルを配置することによって1点ずつ点を伸ばしていくゲームですし
戦争は予期しない場合に巻き込まれることもあるため、あまり確実性はないのです。
それよりもむしろ、タイルを計画的に配置することで建てられるモニュメントによって
継続的に得点を獲得していく方が良かったりします。
そして、このモニュメントをキープし続けるために、時には他のプレイヤーとの
暗黙的な協力体制などで戦力を抑止力的に維持し続ける、ということもあります。

最初はタイル枚数も少なく、小さい国がチラホラできてくるのですが、
ゲームボードの広さがそれほど広くないため、どこかのタイミングで
どうしても他の国と干渉せざるを得なくなってしまいます。

そんなときのためにしっかりと自分の戦力と他のプレイヤーの戦力を見極め
盤面をコントロールしていくようなダイナミックな発展計画が必要になります。
初めて遊ぶ時はさっぱりわからないかもしれませんが、2回目ぐらいからは
なんとなく分かってくると思います。

そしてこのゲームでは勝者の決め方が特徴的です。
点数はゲーム中は非公開になっており、ゲーム終了時に
4色ある点数の中で、最も低い点数が自分の点数となります。
例えば下の例でいうと、赤または黒の7点です。
(白色はオールマイティとして計算します)

つまり、特定の色だけを伸ばしていても勝つことはできず、全ての色を
バランスよく伸ばしながら、全体の点数を底上げする必要があります。
この点数計算のルールのおかげで、最後まで緊張感をもって遊べます。
何度か遊びましたが、戦争に圧勝しているプレイヤーがいて絶対圧勝している
と思っていたら、他の色が伸びておらずあっさり負けていたり、逆にほとんど
派手な動きをしていなかったのにこっそり全体の点数を伸ばして勝利したりと
最後まで気が抜けずに面白いことが多いです。
以上、だいぶルールを端折ってますし、面白さは伝わっていないかなと
自覚はしています、すいません。
上手く伝えきれていないと思いますが、ゲームは最高です。
シンプルなルールでありながらゲーマーズゲームとしてとても深く
意外と収束性も良くて長時間にならずに緊張感をもって遊べる。
そんな素晴らしいゲームですので、ぜひ機会があれば一度遊んでみてください!