27番目の乗客 ★★★☆☆ ゲーム紹介 2016年5月24日
そう、私は乗客であり探偵であり、そして暗殺者である。

<基本情報>
【 タイトル 】 27番目の乗客(原題:27th Passenger)
【 作 者 】 C.ジャンナコウラス、M.ザッカディアディス【プレイ人数】 3~6人人【プレイ時間】 45分【 対象年齢 】 10歳以上【受賞歴など】 特になし【入手・プレイ状況】 ゲーム会でプレイ【個人評価(6人プレイ)】 ★★★☆☆
基本的にはクルードやP.I.のように要素を絞り込んでいき正体を見つけ出すゲーム
なので個人的に好きなタイプのゲームです。そしてハードボイルドな雰囲気も良いです。
各プレイヤーが探偵として他プレイヤーの正体を探りながら、一方では暗殺者として
他プレイヤーを脱落させることも行うため、ソロプレイ感の強いこのタイプのゲームに
駆け引きや読み合いが起きることで緊張感が生まれた点に面白味を感じました。
あまり目立ちすぎてみんなに狙われると悲惨ですからw
一方、気になる点をいくつか。
まず、推理ゲームとはいっても結局条件を絞り込んで行くのがメインのゲームなので
この手の推理“風”ゲームが好みでない方には似たゲームと同様、合わないと思います。
また、暗殺されたり暗殺失敗(他プレイヤーの正体を間違えた)だったりすると脱落する
ゲームなので、早々に脱落してしまった人は楽しさが半減するかもしませんね。
暗殺などの要素が加わった分、他の同タイプのゲームよりもゲームの進行の手順が
やや複雑になる点も慣れるまではちょっと気になるかと思います。
個人的には、結局同じようなタイプのゲームになりがちだった同タイプのゲームの中で、
お互いが監視しあうという新たな視点があることで緊張感が生まれ、とても面白かったです。
脱落してしまうとどうしようもないという点だけが、ちょっと残念というか悔しかったですが。【ゲーム内容】クルードやP.I.のように対象者(犯人)を見つけていくのと、正体秘匿を併せ持つ
ハードボイルドタッチの推理ゲームです。
各プレイヤーはとある列車の乗客として乗り込んでいますが、実は任務を帯びた暗殺者。
ただし、誰が無関係の乗客で、誰が自分と同じような暗殺者なのかはわかりません。
「容姿」「香り」「口調」の3つの特徴要素から、暗殺者と無関係な乗客を探り出し、
終着駅に着くまでに他の暗殺者を全て始末し、ただ一人生き残れば勝者となります。
各プレイヤーは、秘密裏に乗客カード1枚を受け取ります(乗客カードは27枚あります)。
そしてアクションカード1セット(6枚)と、使捨てのスキルカードを2枚ずつ受け取ります。
また、イニシアチブ・カードも配っておきます。
このゲームはアクションカードを、選んだアクションの優先順ごとに順番に実行していく
タイプなのですが、イニシアチブ・カードはその同じアクションの中での各プレイヤーの
手番順を決めるものになります。1~6の数字が書かれています。
あとはチェック表と鉛筆・消しゴムなどの筆記用具を用意しておきます。
乗客カードには、「容姿」「匂い」「声」の3つの特徴要素が書かれており、組み合わせは
27人の乗客カードで被ることはありません。つまり3要素それぞれが特定できれば、
どの乗客のことを指しているかが分かるようになっています。
この特徴は以下のとおりの9種類で、これの組み合わせにより27通りのパターンが存在します。
特徴(1) 容姿・・・フォーマル、カジュアル、奇抜
特徴(2) 匂い・・・芳香、普通の匂い、悪臭
特徴(3) 声 ・・・深い声、優しい声、金切り声
例えば「奇抜な服」で「悪臭」を放ち「優しい声」なのが“億万長者”、というような感じですね。

ゲームの流れは、駅で無関係な乗客の入れ替えなどが起き(駅フェイズ)、列車が走っている間に
アクションを行って推理や暗殺などを行う(旅行フェイズ)、という感じです。
なお、この駅に到着する回数=ラウンド数になっており、最終ラウンド(終着駅)までに誰か1人だけ
生き残ればそのプレイヤーが勝利。終着駅で2人以上が生き残っていると全員敗北となります。
(協力プレイではありませんが、勝者なし、という形になるんですね)
路線図(地図)の下に裏向きで置かれているPassenterというカードが乗客カードですこの乗客カードはそれぞれ各駅で「降りた」乗客を表しているそうです。
※これ、どう考えてもボードにあるのが「乗ってきた乗客」で、ボードから出た乗客が
「降りた乗客」とする方がわかりやすいと思うんですが。。。まぁ原文ルールでも
そのようになっているようなので仕方ないですね。駅フェイズ駅に着くたび、新しく降りた乗客が一番左側に置かれるため、その前ラウンドまでの
乗客はそれぞれ1つずつ右にずれます。そしてボードから出た乗客カードは表向きになり
それらの乗客は「無関係なただの乗客だった」と明らかになるわけです。
乗客の処理後、このラウンドで起きるイベントカードをめくります。
イベントにより「このラウンドは〇〇はできない」のように一部制限がかかったり
逆にちょっと有利になったりします。これは全プレイヤーに適用されます。
旅行フェイズ駅フェイズは新しいラウンドの準備のような感じなのに対し、旅行フェイズは各プレイヤーが
アクションを行うメインのフェイズになります。
各プレイヤーは自分が行うアクションカードを選んで裏向きにしておきます。
そして、アクションの番号ごとに、そのアクションを選んだプレイヤー全員が一斉に
そのアクションカードを表向けます。このとき、イニシアチブ・カードも表向けにし
イニシアチブ・カードの数字が大きい順に手番を実行します。
なお、イニシアチブ・カードは、2の暗殺を除く各アクションの最後に入れ替えを行います。
選ばれなかったアクションはこのラウンドでは使いません。

アクションカードには大きく分けて4種類あります。
1、調査・尾行・追跡他のプレイヤー要素を探るためのアクションカードです。
調査・備考・追跡の違いは、対象プレイヤーから防御されるかどうかの違いです。
尾行・追跡は、それぞれ防御をさせない強力なカードですが、使い捨てです。
このアクションを行う場合、3要素の特徴が書かれている9枚の「特徴カード」のうちから
3枚を選んで対象プレイヤーに渡し、もし該当しているものがあればそれを手番プレイヤーに
だけわかるようにして返します。
例えば、「匂い」についてだけを絞りたい場合、「芳香」「普通の匂い」「悪臭」の3枚を渡せば
必ずどれか1つは返ってくることになります。
一気に絞り込みたい場合は、3つの特徴をそれぞれ1つずつ出せば、もしかすると
全部一発で当たるかも知れませんが、全部外れてしまう可能性もあります。
1のアクションを選んだプレイヤーが全員終り、イニシアチブ・カードの入れ替え後2に移ります。
↓2、暗殺普通の乗客ではないものがわかれば暗殺を行います。
これは誰がどの乗客(職業)かまでを当てる必要はなく、その職業のみを宣言すれば
暗殺を行うことができます。
暗殺が成功したらその対象のプレイヤーは脱落します。
一方、暗殺対象が間違いだった場合(普通の乗客)、暗殺を仕掛けたプレイヤーが
脱落してしまいます。
※2の暗殺については全員同時で行動したとみなされるためイニシアチブによる
手番の決定は行いません。2のアクションを選んだプレイヤーが全員終われば、3に移ります。
ここではイニシアチブ・カードの入れ替えはしません。
↓3、たくらみこれは他のプレイヤーを調査するのではなく、ゲームボード上にある「降りた乗客」および
山札にある乗客を調べるアクションです。
このアクションは特徴の一部を見る、などではなく、乗客カードそのものを見れるため
絞り込みが一気に進むことになります。
1のアクションを選んだプレイヤーが全員終り、イニシアチブ・カードの入れ替え後2に移ります。
↓4、欺瞞このカードには2つの使い方があります。
誰かからの「調査」をキャンセルするために使う場合は「目立たない」という効果により
調査をキャンセルすることができます。この場合、後述の変装カードを一緒に使うことで
カウンター攻撃(指定してきたプレイヤーを逆に調査する)を行ったりもできます。
一方、誰からも調査の対象にされずこのカードを防御で使用しなかった場合は
自分の手番のときに「変装カード」を1枚獲得(2枚引き、1枚獲得、1枚捨札)できます。
「変装カード」は単体で防御に使えるだけでなく、前述のように「目立たない」と一緒に使えば
カウンター攻撃ができるためできれば持っておきたいカードです。
変装カードは2枚までしか持てませんので、それより多くなった場合は捨札にして調整します。

そして手番では合わせてスキルカードを使うこともできます。
スキルカードはゲーム開始時に2枚ずつ配られる使い捨てのカードですが強力なので
チャンスがあれば使っていくと良いと思います。
(イベントカードでスキルカードを回収できるものもあるため、早めに使うのも効果的です)

このように各プレイヤーがアクションを行うことで、徐々に乗客の内容が明らかになっていき
暗殺すべき相手が分かってくるということです。

前述のように、終着駅までに誰か1人だけ生き残ればそのプレイヤーが勝者に。
執着駅に着く前に全員が死んだり、終着駅で2人以上のプレイヤーが生き残れば
勝者なしということになります。
推理+正体秘匿の緊張感を味わいたい方、ぜひ遊んでみてくださいね!