古代 対決 ★★★★☆ ゲーム紹介 2013年2月12日
ロンデル(輪盤)を使ったアクション選択が面白い2人用対戦ゲーム

<基本情報>
【 タイトル 】 古代 対決 (古代:対決、古代:決戦)(原題:ANTIKE DUELLUM)
【 作 者 】 マック・ゲルツ【プレイ人数】 2人【プレイ時間】 75~90分【 対象年齢 】 13歳以上【受賞歴など】 特になし【入手・プレイ状況】 ゲームストア バネストで購入【個人評価(2人プレイ)】 ★★★★☆
ロンデル・システム(円形の盤上を進むことで行動選択)がよくできていて面白いです。
ゲーム自体はイベントカードの1点を除いてほとんど運の要素がなく、アブストラクトが
苦手な自分に合うかなぁと心配だったのですが、「こっから先のアクションは有料よ」という
ロンデルの縛りがあるおかげでそれほど悩まずにテンポよくゲームを進めることができました。
戦闘が基本的に1駒=1戦闘力のぶつかり合いなので運の要素はなく非常にドライであり
1手番ずつの積み重ねが長い時間かけて強みや綻びになってくるように思いました。
2人用の単純な殴り合いゲームかと甘く見ていたのですが、しっかりと序盤に生産基盤を作り
拡大再生産の流れに持っていかないと中盤・終盤で息切れしてしまい、かといって軍備を
怠ればあっさり都市を取られてしまう…と自文明を強化するための道筋が結構重要で油断の
できないゲームです。
知識獲得による飛躍的進歩は、先取りの勝利点と、後取りの費用対効果、戦略的にどちらを
優先するかも悩ましいところで、面白いなと思いました。
僕はかなり楽しかったのですが、嫁さんのまっきゃんはこの手の「都市が奪われる」だの
「あっちこっち見て綻びを作らない&綻びを狙う」みたいなゲームは最も嫌いなゲームと
いうことで、リプレイの期待が薄そうでショボーンな状態です。女性は嫌いかもですねぇ。
予断ですが、個人的印象はPCゲームのリアルタイムストラテジー「Age of Empires」を
ターン制のゲームにしたような感じかなと思います。まぁあれほど劇的な文明の進歩は
ないのですが、攻められないようにしっかり地固めをしてにらみ合いの末、緊張が頂点に
達したら弱いところを一気に攻めて侵攻!というところが似ているかなと。【ゲーム内容】強力な軍隊と文明で海と陸上都市を支配してきた2つの古代帝国がぶつかりあうゲームです。
自軍を進行させて都市を作り、そこで生産される資源をもとにさらに強大な軍隊や神殿、防壁
などを築いて領土拡大を図ります。相手国よりも有利に進めるためには新たな知識を獲得する
ことも重要になってきます。自軍と相手軍が睨み合って拮抗している国の境目では、わずかな
綻びによって軍事衝突が起こり、神殿の破壊や都市の奪い合いになることもあります。
都市の獲得や、新たな知識の習得、海域の支配など、一定の条件を満たせば要人カードを
獲得することができます。この要人カードを先に9枚集めたプレイヤーが勝者となります。
今回のご紹介ではカルタゴ対ローマの方を使います。(カルタゴが茶色、ローマがベージュ)
どちらの陣営もスタート時に大理石、鉄、金の都市を1つずつ決まった場所に持っており
資材も配備する兵も平等となっています。唯一、スタートプレイヤーでなかった人は
硬貨を1つ持ってスタートする、というところで後手番の不利を緩和しています。

ここでこのゲームの要である「ロンデル(輪盤)」をご紹介します。
ゲームボードの隅っこに描かれている円形の盤のようなものなのですが、ここの各マスには
選択できるアクションが書かれています。手番ではこのロンデル上の自分のコマを時計回り
に動かし止まった所のアクションを実行することになります。

絵だけでわかりにくいので、ちょっと文字を足しますと↓こんな感じになっています。

大きく分けて「資源の生産」と「資源の使用」「軍事行動」の3種です。感心するのが、各資源の
生産と使用はちょうど反対側に位置しており、すぐに使えるわけではない点です。
というのもこのゲームではコマを3マス目までは無料で動かせるのですが、それを超える場合、
つまり4マスとか5マス・・・という所まで行くには超えた1マス=1硬貨が必要になるのです。
これにより、今獲得したばかりの資源を使う行動を、次の手番で無料では行えず硬貨を支払う
リスクを負わないといけない、というようになっているわけです。
まぁ、この余計な支払いが発生するおかげで、手番で選ぶアクションはできれば無料の3マス
以内で行いたいという心理的な縛りになってスムーズに手番をこなせるわけです。
それではここから具体的な手番のご紹介です。
まず手番は以下の3つのステップになっています。
1、ロンデルのアクション選択・実行
2、都市の建設
3、要人カードの獲得
1、ロンデルのアクション選択・実行手番のはじめにまずロンデル上のコマを動かしてアクションを選択、実行します。
資源の生産は3つあり、大理石(白色)、金(黄色)、鉄(青色)となっています。
ゲームボード上にある、該当する色の自分の都市数分それらを受け取ります。
あとおまけで硬貨ももらえます。硬貨は資源が必要になったときに代わりに使えます。
※硬貨の使い方で、いつでもどの資源にでも代わりになるのか、ルールブックで
わかりにくいところがあったので確認中です。なお、次にご紹介する神殿があればより多くの資源を獲得できます。
資源の使用についてはそれぞれの資源ごとにできることが大きく異なっています。
まず、大理石の使用により神殿と防壁の建設を行えます。
神殿は自分の都市に作ることができ、資源の生産数、都市防御力、新規に配備可能な軍隊を
それぞれ3倍にします。作るには大理石もたくさん必要ですが、かなり強力なので必須です。
防壁は単純に都市の防御力UP。こちらは大理石1ですので安価ですが、自分が持っている
防壁タイルの数までしか作れません(防壁タイルは勝利点が増えるときにもらえます)。

次に金の使用。金は知識の獲得や兵士の補充に使用します。
知識は陸軍(レギオン)や海軍(ガレー船)の移動力を高めたり、生産力を高めたりと
5つの種類があります。相手よりも先に知識を獲得するにはより高い費用が必要ですが
勝利条件である要人カードを獲得することもできます。一方、同じ知識を相手よりも
あとで獲得する場合は安くすむ一方、要人カードは獲得できません。
知識獲得により自分の文明はかなり強化されますので、これもおろそかにはできませんね。

同じ金を消費するアクションで、兵士を補充することもできます。
陸軍、海軍それぞれに必要な金を支払うことで可能な限りゲームボードの端っこにある
補充枠へコマを置くことができます。この補充枠からゲームボード上の都市へ兵士を
出していくのは次に説明する鉄の使用になるのですが、まずは補充枠にコマがなければ
それもできませんので注意が必要です。

鉄の使用により、軍隊を補充枠から都市へ出すことが出来ます。これも鉄の資源が足りる限り
いくつでも可能ですが、原則1つの都市に対して1つの軍隊コマしか配置できません。
(神殿があれば3つまで可能なので、やっぱり神殿は強力ですね)

じゃじゃーんと飛び出たところにいきなり相手の軍隊コマがあればその時点で戦闘になり
登場と同時に破壊される、なんてこともありますのでその点はご注意を。

最後に軍事行動のアクションですが、これを選んだらまず最初に自分の軍隊コマを
好きな数だけ動かします。ただし、原則1つのコマにつきゲームボード上の1マスしか
動かせません(知識の獲得で1つのコマを2マスまで動かせるようになります)。
動かした先に相手の、
同種の軍隊コマがあれば戦闘になり1対1で打ち消しあいます。
打ち消しあったコマはそれぞれ自分の補充枠へ戻します。
同種のと強調しましたが、これは陸軍コマは陸軍コマ同士、海軍は海軍同士ということです。
ただし、引き続き戦力が残っている場合に行える
都市の征服では種類は関係ありません。
総攻撃力と総防御力を比べて、総攻撃力が総防御力に達していれば都市を征服し
自分の都市にすることができます。
都市の征服時には軍隊コマだけでなく、都市の防御力、防壁の防御力、神殿による強化
知識獲得による防御力UPの効果などもすべて足して防御力とし、その数に達するだけの
攻撃側の軍隊コマなどがないと征服することはできません。
こう文章でかくとややこしそうなのですが、
神殿がある都市を3と数え、それ以外は
全て1で数えるだけなので単純な足し算、引き算の話です。
(数字にめっぽう弱いまっきゃんでも理解できたので、他の人も大丈夫です!w)
なお、イベントカードは自分の原則自分の手番でいつでも、いくつでも使用できます。
写真のように市壁(防壁)を破壊するカードなんかは征服時にとても強いですよ。
両軍とも集結してかなり緊張感が高まりましたが、この後まっきゃんにやられました。。。以上、1、ロンデルのアクションの説明でした。
2、都市の建設ロンデルのアクションが終わったら資源を支払い可能な限り都市を造ることができます。
原則、1つの都市を造るのに大理石・金・鉄のすべて1つずつ必要です(硬貨で代用可)。
自分の軍隊コマが1つ以上あって、まだ都市が建設されていない都市マスに、大理石、金、鉄
いずれかの生産都市を造ることができます。
ただしすでに全部なくなってしまっている種類の都市は造れません。
また、同じ種類の資源を生産できる都市を、隣接して造る場合に余分に硬貨が必要です。
自分の都市であろうと相手の年であろうとカウントされますのでご注意を。
3、要人カードの獲得手番の最後に、勝利条件(勝利点)である要人の獲得をします。
要人カードには条件達成の時点ですぐにもらえるものと、この手番の終了タイミングで
もらえるものとがあります。
すぐにもらえるものでわかりやすいのは神殿破壊時にもらえる「将軍」などで
文字通りそのタイミングですぐにもらえます。
一方、この手番終了時に判定するものは航海士があります。手番終了に一定数の海域を
支配していることでもらえる要人カードですね。

ゲーム終了のタイミングはいずれかのプレイヤーが9枚目の要人カードを獲得したとき。
そのプレイヤーが勝者となります。
ゲーム終了時の様子。この手のゲームが嫌いというまっきゃんに完敗。ぎゃふんぎゃふん。なおゲームボードは表面ならカルタゴ対ローマ。

裏面ならギリシャ対ペルシャ。

どちらもそれぞれ特徴のあるマップなので飽きなくていいと思います。
うちの場合、嫌いと公言しているまっきゃんが遊んでくれなさそうなのですけどね(´Д` )
まっきゃんはともかく、僕は面白かったです!また遊びたい!(一応アピール。。。)
いつも楽しく拝見しています。
今回の「古代 対決」の紹介文も、とても興味深かったです。
ちょうど今、2人用の拡大再生産系で、中~重量級のボードゲームを探していたところだったので、早速バネストでポチってしまいました。
もともと文明発展がテーマのゲームが好きなので、機会があったら色々遊んでみたいと思っています。「シヴィライゼーション」も気になるなぁ。
ちなみに、話は戻りますが、紹介文の写真に写っている、イベントカードの和訳シールや要人カードの日本語シートは、バネストで購入した時に付いて来たものですか?
それでは、これからも楽しみにしていますので、頑張ってください。