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浅く潜れ! -ボードゲーム&趣味のブログ-

ドイツボードゲームや小説、映画など趣味のこと書いてます。その他日記代わりなど。

K2 (ケーツー) 【ボードゲーム】

 K2   ★★★★☆ ゲーム紹介 2013年3月5日

 クイズ。山に捨てちゃいけないものは?・・・「ゴミと命 」 (「岳」より)

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<基本情報>
【 タイトル 】  K2(ケーツー)(原題:K2)
【  作 者   】  Adam Kaluza
【プレイ人数】  1~5人
【プレイ時間】  60分
【 対象年齢 】  10歳以上

【受賞歴など】 特になし
【入手・プレイ状況】  KIWIGAMESで購入
【個人評価(2人プレイ)】 ★★★★
2人でも面白いですよと教えてもらったので遊んでみました。夏山の好天だったので
ちょっとヌルいかなとも感じましたが全体的には良く出来ていて面白かったです。
移動カードを使ってののマネジメントが登山計画のマネジメントとしてしっかりと
機能しており、テーマとの相性はかなり良いゲームだと思います。
計画的に、慎重に行動することは必要ですが、1マスに入れるコマ数に制限があるため
行ける時にしっかり進んでおかないと立ち往生してしまうことも。この辺も面白いですね。
個人的には久々にテーマとゲームがすごくマッチした良ゲームだなと思いました。

ただ、まっきゃんは苦手だと感じたそうです。先述の「コマ数制限」があるため
先を越されると「ここしか行けない」という場面が多くなってしまったようで
窮屈さを感じたようです。
その点から考えると、勝敗(結果)と面白さの関連性が強いゲームなのかも知れませんね。

多分このゲームの真の面白さはもう少し難易度を上げた冬山や荒天のシチュエーションだと
思いますので、次回はぜひ難易度を上げて遊んでみたいと思います。


【ゲーム内容】

世界で2番目に高い山「K2」の登頂に挑むゲームです。K2はインド・中国・パキスタンの
国境付近にある「カラコルム山脈」にある山で、8611mもあるそうです。高いですね~。

各プレイヤーは2人ずつの登山家を担当し、カードの移動力などを使って移動したり
体力を回復させたりしながら18日間(18ターン)で出来るだけ高い位置を目指します。
特徴的なのは、とにかく上を目指せば良いのではなく、それぞれの登山家が最高到達点を
より上に(高く)持っていきながら、決して「死なないようにする」こと。
雪山の登山は現実と同じように命のリスクを伴うものなのです。生きてこそ、ですねぇ。

いかに上を「目指しながら、生き残るか」という計画性と決断が必要なゲームなのです。



さてさて、それではゲームの内容をご紹介。ゲームボードやトークン、タイル類を準備し
自分の担当する色のコマ、カードなどを受け取ります。

ゲームボードはそのまま山が描かれているのでわかりやすいですね。
右下が一番下、ベースキャンプです。上が当然頂上となっています。
ゲームボードは高さによって4つに区切られており、下から6000、7000、8000mの
ラインが順番に引かれています。このラインはそれぞれのマスにいくつまでコマを
置けるかの区切りになっているとともに、後述する「天候による影響」でも重要に
なってきますので、ご注意くださいね。

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それぞれのプレイヤーは2人の登山家を担当するのですが、それぞれの登山家は微妙に
違う形をしており、その登山家が持つテントも似たような形をしています。

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次に、それぞれのプレイヤーが持つカードですが、大きく分けて3つの種類があります。
先に説明する2つが移動に関するカードで、3つめが体力の回復に関するカードです。

まず1つ目、上下が分かれているカード。これは今いる場所より高い所に移動するか
低い場所に移動するかで移動力に違いがあるカードです。それぞれ上向き矢印、
下向き矢印の横に書いてある数字が、そのまま上移動、下移動時の移動力になります。
(ゲームボードで上下がわかりにくい所は、ロープイラストによる表示で判断します)

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2つめの移動に関するカードは単に数字だけが描かれているカードです。
これはそのまま、上下にかかわらずこの数字の移動力になります。

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最後、3つめは体力回復に関するカード「順応カード」です。
基本的にこのカードの数字分体力を回復させることができます。

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各プレイヤーは毎ターン6枚のカードを持っています。毎回、そのうち3枚を出して
行動の順番と、どういう行動をとるかを決めていくことになります。


カード以外で各プレイヤーが持つものに、それぞれの登山家の体力(順応度)が表示された
プレイヤーボードがあります。ちょうど木製トークンが置かれている場所がその登山家の
現在の体力を表しており、数字が高いほど余裕があり、低いほどピンチなわけです。

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ところで、このゲームの特徴的な要素のひとつに「天候」があります。
雪山登山に天候の影響はつきものですから、このゲームでも大きな影響力があるんですね。

天候は3日(3ターン)分が1セットになったタイルで表されます。
タイルごとに左から1日目、右に行くごとに2日目、3日目となります。
下記の写真のように裏面が晴れマークのものと雪マークのものがあります。晴れマークが
難易度の低いもの、雪マークが難易度の高いものとなっています。
タイルには 「どの高さか」  「どのような影響か」 が描かれており、天候の影響を
処理する際にここをみて行うことになります。


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以上、準備段階で知っておくべき内容をご説明致しました。以下ゲームの流れをご紹介します。



まず各プレイヤーは手札6枚のうちから3枚のカードを選んで出します。

「う~ん、どうしようかな~」

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「よし!いっせーのーで!」

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そして、それぞれのプレイヤーの出したカードの移動力を比べ、
最も高い数字を出したプレイヤーがリスクトークンを1つ受け取ります。
リスクトークンは裏向きの中から3枚が表向きになっているのでそこから1つ選んで取ります。
(取られた1つ分を、裏向きのものから1つ表向きにして補充しておきます)

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なお、このリスクトークンをとってしまった場合、その描かれている数字分の
リスク(デメリット)を後ほど処理しなければいけません。なので、取りたくないですね!


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その後、マスごとに必要な移動力を消費してコマを移動させていきます。

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また、移動力を使ってテントを張ることもできます。テントは自分のコマ1つにつき
1つずつあります。(つまりテントは2つあるということです)
一度張ったテントには自分のコマであれば、どちらのテントでも利用できます。
(コマに対応するテントでなくても良いということです)

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移動後の場所によっては登山家は体力(順応度)が変化します。冬山登山ということで
大体想像できると思いますが、頂上付近の方がより危険が大きく、ベースキャンプに近いほど
体力は回復しやすい、ということになっています。

なお、この順応度の変化には天候も大きく影響します。先述のように一定の高度にいる
登山家については悪天候によって体力の低下などが加えられるわけです。

さらに、リスクトークンの分もここに上乗せされてしまいますので、場所、天候、リスクと
すべてが合わさると一気に死にかけ!みたいなこともあります。冬山はやっぱり大変です!

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一方、じゃあ下がった体力はベースキャンプ付近まで降りてこないと回復しないのかというと
そうではありません!順応カードによる休息や、テントを利用することで回復ができるのです。
うまくこのへんを利用しないと生存すら危ういですから、計画性が大切といえますねぇ~。

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いよいよ点数の変動についてですが、これは各登山家の最高到達点を表示する形になっています。
つまり、現在いる場所が重要なのではなく、過去でもいいのでその登山家ごとに最も高い場所に
行った時の点数が有効になっているわけです。

つまり、より高所へ到達したときにその登山家に対応する点数のマーカーを上に上げます。
そしてもしその登山家が下山したとしても得点マーカーは動かさずに留めておく、ということです。

ただし、もしその登山家が残念ながら死んでしまった場合、その登山家の得点は最も低い位置まで
戻されてしまいます。生存が絶対条件なわけです。そりゃ命が一番大事ですもんねぇ。

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全員が移動を終えたら1日経過したことになり、天候を一日分進めます。
これにより、現在いる場所でも状況が変わることがありますので、天候に応じて
現在の場所に留まるのか、上を目指すのか、下山するのか判断する必要があります。
この天候という要素がピリッと効いていて、なかなか思うようにならない登山の難しさを
しっかり再現できているんですよね。いやぁ~面白い!!

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なお、実際の雪山登山もそうなのですが(いや、行ったことないのでTVの知識ですけど)
頂上部分になるほど登山ルートに余裕がなくなり、前の登山者(チーム)が登ったり
降りたりしている間は足止めを食う、ってことがあるわけです。

で、当然このゲームでもそこはしっかり再現されており、下の写真を観ていただくと
一目瞭然ですね。ほら、上の方ほどマスが少なくてルートも少ないですよね!?

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さらに、プレイ人数に応じて1マスに入れる登山家コマの数まで制限されているので
頂上付近になると大渋滞が起きたり、そもそも移動できずに足踏み状態になったり。

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これが普通の街中ならなんの問題もないのですが、8000m級の雪山なわけですから
留まることも命取り、なんてことになりかねません。この7000m~8000m付近の
登頂チャレンジに関する駆け引きは間違いなくこのゲームの重要ポイントです!

冬山ですけど熱いですよ!! (←このコメントは寒いかw ややこしいなw)


とまあ、こんな感じで18日間(18ターン)を過ごし、最も点数の高かったプレイヤーが
勝者となります。

初回プレイではボードも簡単な面、天候も穏やかな方を選んで遊んだのですが
練習プレイと考えても頂上付近の攻防はなかなか熱いものがあり、面白かったです。

これが冬山の荒天となると。。。

クゥ~~~ッ!!厳しいんです!やばいんです!

ってな状態なんでしょうねぇ。いつか遊んでみたいなぁ。


ちなみに、難しい方の面はこんな感じ。
ちょっと画像が小さくてわかりにくいんですけど、かなり難しそうです。
特に7000m~8000mはやばいですねぇ。面白そう!

K2_22.jpg


ちなみに・・・たまたま先日CSのナショナルジオグラフィックTVでやっていたのですが
雪山登山の厳しさを知るのに実際に起きた「エベレスト大量遭難事件」が参考になりました。

詳しくはこちらをご覧下さい。

→ エベレスト大量遭難(1996年)


あと、マンガですが「岳」は傑作です。結構リアルな描写もあって結構怖い場面もありますが
主人公三歩(さんぽ)のキャラクターにとても魅力があって山への愛を感じられる良い作品です。

→ 岳 みんなの山
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