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皇帝なき帝国 ★★★☆☆ ゲーム紹介 2012年3月28日
貴族をとるか、都市を狙うか。短時間ながら悩ましいゲームです。
<基本情報>
【 タイトル 】 皇帝なき帝国【 作 者 】 樫尾忠英【プレイ人数】 2~4人【プレイ時間】 30~45分【 対象年齢 】 10歳以上向け【受賞歴など】 特になし【入手・プレイ状況】 【個人評価(2人プレイ)】 ★★★☆☆
限られた手数の中で、都市と貴族どちらの得点源を狙っていくかというところが
短時間ながら悩ましく面白いゲームでした。2人プレイだと相手の動きが全てなので、
初手からどこを狙っていこうか悩みます。1手が命取りということもありますので
得点を取るための1手と同じぐらい、ミスしないこともかなり重要だと思います。
手番で上手くいったことの喜びを感じるよりは、ミスをしたことを後悔するほうが
2人とも多かったので、ムムムと考え、淡々と進む感じでした。
2人では特にそのようなパズル的要素が強いように感じるゲームだと思います。
3人以上で遊ぶとまた違った印象になりそうなので、機会があれば3人以上でも
遊んでみたいですね。
なお、ゲーム時間としては公式情報で30~45分となっていましたが2人だと
1ゲーム20分程度で遊べました。繰り返し遊ぶのにも向いています。
【ゲーム内容】ボード上にある都市部分を騎士タイルで囲むことによって「都市の支配」「貴族の獲得」で
点数を獲得するゲームです。影響を及ぼすのは騎士タイルの「枚数」か「数値」であり
限られた騎士タイルを上手く使って効率よく配置するかが鍵となります。
ゲームボードに描かれている都市部分に都市タイルと貴族チップをランダムに配置し
各プレイヤーが人数によって決まった数の騎士タイルを手元に裏向きで準備します。
そのなかから自分の「控えの間」に騎士タイル2つを裏向きのまま置き準備完了。
じゃんけんなどでスタートプレイヤーを決めてゲーム開始です。
スタートしたばかりのゲームボード。まだほとんど騎士タイルは置かれていません。自分の手番でできることは以下のA~Cうちどれかです。
A.控えの間にある裏向きの騎士コマをゲームボード上に
表向けて配置する。
これはメインのアクションといえます。表向きで騎士タイルを配置することで、都市と
貴族の獲得について影響力を発揮できます。
配置についての注意点があります。同じプレイヤー(=同色)の騎士タイルが繋がるような
置き方になる場合この2つ以上繋がった騎士タイルのかたまりを「軍団」というのですが
軍団(繋がり)は最大でも騎士タイル3つ分までということになっています。
軍団は特に都市の支配(後述)において有力なものとなりますが、騎士タイル3つ分
までしか繋げて置けない点をしっかりと覚えておかなければいけませんね。
なお誤解のないようにですが
、軍団を3つまでしかもてない、のではなくて軍団の大きさは騎士タイル3つ分まで、ということです。
裏をかえせば、騎士タイル3つ以内でありさえすれば、
軍団はいくつでも持てます。
(なお、このゲームで「隣接」とは上下左右のみであり、斜めは含みません)置かれた騎士タイルはゲーム終了までその場にとどまり、戻すことはありません。

B.手元(ストック)から控えの間に騎士タイルを
裏向きのまま持ってくる
これはある意味「選ばざるを得ないアクション」です。控えの間に騎士タイルが無い場合、
これを選ぶことが多くなるでしょう。

C.手元(ストック)から騎士タイルを、ゲームボード上に
裏向きのまま配置する
騎士タイルが裏向きの場合、表側の数値が適用されず数値「0」と扱われるため、都市の
支配という部分ではあまり好ましくありません。貴族の獲得に重きを置く場合か、または
騎士団の形成上どうしても必要、という場合など、特殊な状況では有効となります。
(詳しくは後述です)

以上が選べるアクションの説明となります。
ゲームボード上に騎士タイルが配置されると都市と貴族に影響を及ぼします。
まず、貴族についてですが、貴族は原則的にその都市(及び貴族チップ)に隣接するマスが
全て騎士タイルで埋まればそこでの優位判定をすることになります。
この場合に影響するのは騎士タイルの
枚数です。
表向き、裏向きは関係なく、当然書かれている数値も関係ありません。
この場合は2枚あって優位である青プレイヤーが貴族チップ(赤)を得ます貴族の獲得は、ゲーム中であっても獲得できる状態(優位判定の決着がついている)になれば
その場で即座に行なわれます。
その貴族チップに対し、最も多くの騎士タイルを置いているプレイヤーが獲得するのです。
獲得した貴族チップは自分の前に置いておきます。
同数でトップのプレイヤーがいる場合は貴族チップは誰のものにもならずにゲームから
取り除かれます。箱にでも戻しておいてください。
得点計算が行なわれるのはゲーム終了時です。その時点での所持枚数を全プレイヤーで
比較して、その所持枚数の順位に応じて得点が与えられます。
(紫色の貴族チップは任意の色に当てはめられますのでうまく使えば役立ちますよ)
注意点としては独占の場合は独占ボーナスが付くことと、各色とも最下位のプレイヤーは
貴族チップの所有枚数に関わらず得点が与えられない点です。
なお、貴族の色によりそれぞれの順位が違うのはご覧の通りです。競合しそうでも赤を狙うか
ライバルの少なそうな他の色を狙うか。迷いどころですね。
得点表がゲームボード下部に描かれていますので、しっかり見ておきましょうつぎに都市の処理についてですが、都市はゲーム終了時の騎士タイル(単体および軍団)による
数値合計の大小を比較してその獲得(支配)プレイヤー決定を行ないます。
この場合、都市に
隣接している騎士タイルの属している軍団も全て含めて数字を計算します。
下の画像を見ていただくと分かりやすいと思います。この場合は赤が支配していることになります。
黄色の○で囲んでいる都市に対し、赤プレイヤーと青プレイヤーはこのように影響しますなお、この軍団の中にはアクションCとして行なった
裏向きのままの騎士タイルも含みます。
(ただしそのタイルの数値は0として計算しますのでご注意下さい)
各プレイヤーが手番を順番におこなっていき、全プレイヤーが騎士タイルを使いきれば
ゲームが終了となります。
ゲーム終了時点でまだ持ち主の確定していない貴族チップは、この時点で優位判定をし
獲得者が決まります。
(繰り返しますが、優位かどうかは騎士タイルの枚数で判定します。数字ではありません)
すべての貴族チップがゲームボードから取り除かれたら、各プレイヤーはそれぞれの色の
貴族チップの所持枚数を比較し、順位に応じた点数をもらいます。
つぎに都市の支配者を決定します。前述のように、都市ごとに各プレイヤーごとの騎士タイル
および軍団の数値を合計し最も大きかったプレイヤーがその都市の支配者となります。
わかりやすいように支配者が決まった都市のタイルは支配者となったプレイヤーが取ります。
都市のタイルに書かれている数字がそのまま点数となります。自由都市は0点です。
さきほどの貴族の点数と都市の点数を足したものが最終的な点数で、最も高い人が勝者です。
(同点の場合は、貴族チップの数が多い方が勝者となります)
ゲーム終了時の様子。なお、このゲームの情報は以下をご覧下さい。
デザイナー 樫尾忠英さんのブログです
http://gardengames.blog40.fc2.com/
PLAYさせて頂いた人間ですが、とても面白いゲームでした。
やおきんさんのようにうまく説明は出来ませんが、
2人で2回、3人で1回やって、かなり慣れてきたので、
「もう1回やりましょう」って言ったところを、梶尾さんご本人から、
「いやいや、もう他のゲームを・・・」と言われた人間ですから・・・