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アロザ殺人事件 ★★★☆☆ ゲーム紹介 2011年5月9日
ヒントは転がり落ちる木コマの音。「証拠はこの階にある!」

<基本情報>
【 タイトル 】 アロザ殺人事件(原題:MORD IM AROSA)
【 作 者 】 アレッサンドロ・ズッキーニ【プレイ人数】 2~6人【プレイ時間】 30~45分【 対象年齢 】 10歳以上【受賞歴など】 特になし【入手・プレイ状況】 パティークローバー
さん で購入【個人評価(2人プレイ)】 ★★★☆☆
ビルを模したタワーのてっぺんからコマを落とし、音と勘を頼りにコマを探すという
仕掛けがとても面白かったです。こんなの簡単やろ、と半ば子供だましのようなものだと
なめていましたが、ショップで実物を触らせてもらい試してみたところ全く当てられず(笑)。
ブラックボックスになっているタワーの中でコマとコマが当たったりして予想外の所に
転がり落ちていたりするので記憶だけでどうにもならないところが面白いです。
犯人探し(証拠探し)の部分については、数プレイ遊んで全プレイで中盤先行している
プレイヤーがそのまま勝ったこともありやや物足りなさを感じました。
これは2人プレイだからということもあると思いますので、3人以上でやってみたら
また印象が変わるかも知れませんね。
あと、「音」が重要なゲームですので、たくさんの人が集まるようなゲーム会などには
向いていないと思います。
全体的に、雰囲気を楽しめるかどうかで好みがハッキリ分かれるゲームだと感じました。
予想が当たったときに感心するよりも、外れたときに笑いが起きるようなゲームですので
勝敗よりも、仕掛けの面白さやその場の盛り上がりなどカジュアルに楽しみたいときに
重宝するゲームだと思います。そういうのが好きな方にはオススメです!
【ゲーム内容】8階建てビルを模したタワーの頂上から木のコマを落とし、その転がり落ちる音をヒントに
木コマの位置を当てるゲームで、テーマは「ビルの中で起こった殺人事件」です。
木コマは最初に落とされる「被害者(赤色)」のものと、各プレイヤーの色で「証拠品」に
なるものとがあり、序盤には被害者(=犯行現場)を探し、中盤以降は証拠品を探します。
ゲーム終了時に証拠によるポイント(疑惑ポイント)が最も少ないプレイヤーが勝者です。
まず準備として8階建てのタワーを作ります。厚紙で出来た各階層をブロック状に積みます。
この厚紙製パーツには中央に穴が開いており、重ねると頂上から1階(グランドフロア)まで
垂直に穴が開いているタワーが出来上がります。
ゲームが始まると最初に被害者コマ(赤色)2つを頂上から落とします。
結構慎重に落としても、落ちていく途中で各階層の床部分に当たって方向が変わり
最下層までは落ちずに途中で止まったりします。

図解するとこんな感じです。
そして、各階層の床部分に当たったときに「コン!」とか「コツン!」とか転がって
落ちるときの音が鳴ります。この音を頼りに、何階部分で止まったかを当てるのです。

2つの被害者コマが落とし、各プレイヤーも規定数の木コマを入れたら準備完了。
ゲームスタートです。
手番では基本的に「何階に○色のコマ」というように各色のコマの場所を予想し
その階層の部分を持ち上げて中身が合っているか確認する、という流れになります。
フロアの捜索はタワーのそのフロア部分を持ち上げて中身を確認する、という
やり方で行ないます。(下の写真をご覧下さい)
※注意点として、このときに他のフロアのものが落ちたりしないよう、そーっと
持ち上げ、水平のままで確認し、確認後はまたそーっと戻すようにします。
序盤ではまず赤色の「被害者」を探します。被害者2つが見つかるまでは
原則として赤色のみを探します。
(その際に見つかった「証拠品」(各プレイヤーコマ)も一定の処理を行ないますが)
2つの被害者コマが発見されてからは、各プレイヤーの色のコマを見つけるように
タワー内を探すことになります。
予想が当たっており、他のプレイヤーの色のコマが予想したフロアにあれば
該当する色のプレイヤーが「事件に関与している証拠を見つけられた」ことになり
その数に該当する証拠品(色のコマ)をゲームボードの対応する場所に置きます。
予想が外れていたときは、間違った捜査のペナルティとしてその間違った指摘を
した手番のプレイヤーが、自分の証拠品である木コマをタワーに追加投入します。
(つまりタワー内には自分の証拠品が増えてしまい不利になるわけです)
また、他のプレイヤーの証拠品を探すほかに、自分の証拠品を取り除くために
タワーの中を捜索することもできます。この場合には自分のコマがどこのフロアに
あるかを予想して、そのフロアで発見されれば、ゲームボード上の証拠品を一定数
取り除くことができるのです。
間違いだった場合は他人のコマを探した場合と同じで、ペナルティとして証拠品を
タワーに追加投入しなければいけなくなります。
見つけられた証拠品ですが、被害者の見つかったフロアに近いほどゲーム終了時の
疑惑ポイントが大きくなってしまいます。
できるだけ他者の証拠品を見つけるのか、自分の証拠品を減らすのかも悩み所ですね。
多数のコマが1つのフロアに留まっていることもあります。もちろんゼロの場合も・・・
6階で証拠が見つけられたら、ゲームボードの6階のところに証拠品が追加されます。 ※注意点としては、タワーから見つかった証拠そのものをボードに置くのではなく
見つかった証拠の数分の木コマを手元からボード上に置く、ということがあります。
なお、開けられた階層に証拠コマがあった場合は、予想が当たったか外れたかに関わらず
その階層にあった全ての証拠コマを再度タワーの頂上から入れて落とします。
(一度確認されたフロアに証拠品が合った場合は、そのフロアをリセットするわけです)
再び投入されたときの音をしっかり聞いて、そのコマがどこにあるのかを次回の手番以降で
探していくことになります。(結局同じフロアに再び落ちることもよくあります!)

このようにして手番を繰り返していき、一定数の証拠品がボード上に置かれる等
終了条件に該当すればゲーム終了。
置かれた証拠品をもとに疑惑ポイントを計算し、最も疑惑ポイントが多い人が犯人。
最も疑惑ポイントが少ない人が勝者となります。
(「犯人が誰か」はゲームの目的ではなく、得点計算結果にすぎません)
2人で遊んでも、予想したところにコマが無かったり、ピッタリ当てられたりという
このゲームの本質的な面白さは十分味わえました。
自信満々でハズレが続いたときには笑うしか無かったですし(笑)
また、今落としたコマが、もともとタワー内にあったコマを押し出して予想外の場所に
コマが移動していたりと、不規則な動きで起こるランダム性も楽しかったです。
独特の面白さのゲームだと思いますので、また遊びたいです!
なお、独特の仕掛けにもなっているコンポーネントに良い点、悪い点が。
珍しい形の箱ですが、しっかり収納できてなんとなく気持ちよかったです(笑)
ポップなイラストもゲームにマッチしていて、雰囲気を盛り上げていると思います。
こんなふうに重ねて
ピッタリ収納できます悪い点は、たまたま自分のものだけかもしれませんが、木コマの不揃いが酷かったです。
よくある木片キューブなのですが、かなり切断が荒っぽかったのか雑でした。
他のゲームのように表示用ではなく、穴から落とすためのものなので形は重要ですから
こういう不良は痛いですね。。。