『博士の愛した数式』
作者:小川洋子 新潮文庫
お気に入り度:★★★★★★★☆☆☆(10点中/7点)<あらすじ>
[ ぼくの記憶は80分しかもたない ] 博士の背広の袖には、そう書かれた古びたメモが留められていた---記憶力を失った博士にとって、私は常に”新しい”家政婦。博士は”初対面”の私に靴のサイズや誕生日を尋ねた。数字が派代えの言葉だった。やがて私の10歳の息子が加わり、ぎこちない日々は驚きと歓びに満ちたものに変わった。あまりに悲しく暖かい、軌跡の愛の物語。(文庫版 裏表紙より)
<感想など>
読んで感じたのは「日本版の『アルジャーノンに花束を』みたいだな~」というような感想でした。『アルジャーノン~」ほどSF的な設定ではないのですが、『アルジャーノン~』が”知恵(知性)”を扱っているのに対して『博士の~』が”記憶力”を扱っているところなどからそういう風に感じました。もちろん悪い意味で比較しているわけではありませんが。
数学に取り付かれている、というところは映画「ビューティフル・マインド』を彷彿とさせるようなところもありますし、そういう意味では『アルジャーノンに花束を』+『ビューティフル・マインド』みたいな感じですかね。
ただ、基本路線はやんわりとした暖かいストーリーなので、そういう意味ではどちらとも全然違いますけどね。
タイトルに「数式」とか入っているので難しい本じゃないかな~と敬遠してる方、気にせずに読んでみましょう!
数学はあくまでも博士と主人公・私がコミュニケーションをする手段やそれを通じて心が通っていく過程で出てくるものですので、内容をすべて理解する必要はないですし、僕も理解していませんw
まぁせっかくなので数式が出てきたところなどはゆっくり考えて読んでみると「なるほど!」と新たな発見をすることもありますし、要所要所ではその数式が象徴しているものが心に影響を与える、的な場面もありますので、ぜ~んぶ飛ばしてしまうのではなく、一応がんばって読んでみましょうね(´∀`)