『十字屋敷のピエロ』
作者:東野圭吾 講談社文庫 お気に入り度:
★★★☆☆

<あらすじ>
ぼくはピエロの人形だ。人形だから動けない。しゃべることもできない。殺人者は安心してぼくの前で凶行を繰り返す。もし、その僕が読者のあなたにだけ、目撃したことを語れるならば・・・しかもドンデン返しがあって真犯人がいる。前代未聞の仕掛けで推理読者に挑戦する気鋭の乱歩賞作家の新感覚ミステリー。(文庫本 裏表紙より)
<感想など>
上のあらすじにもあるとおり、犯人探しものの作品です。そしてこれも上のあらすじにあるとおり、特殊なのは人形のピエロからの視点で要所要所が描かれている点。文字通り十字の形をした屋敷で起こった殺人事件を解決していくという内容で、サクサクと読める感じです。
なんらかの事情で孤立した屋敷、というわけではないのですが舞台はほぼ屋敷内のみで、登場人物も屋敷の主(あるじ)一族の数名に限られるため、純粋に犯人探しとトリック解明を楽しめました。ちょっと時間があったので大体5時間ぐらいで一気に読めましたかね。
悲劇を招くピエロ人形とのことですが、ピエロの心境からしてみたら「勝手にいろいろやったあげく、僕のことを呪われた人形みたいにいいやがって~!ムキっ---!」って感じなんでしょうね。可愛そうなピエロ・・・w。そして独特な雰囲気の人形師みたいな方も出てきてますし、作品中でもいままでもいくつかピエロにまつわる事件があった、みたいな表現があったので、当初はシリーズ化する予定だったのかもしれませんね。(同じ作者の『名探偵の掟』あとがきでもそのへんは触れられていますが、結局シリーズ化はならなかったようで)
ところで・・・トリックなんですが、あのトリックなんですねw ネタバレになるので一応以下は反転しときますw
↓以下ネタバレ(反転させてます)
あのトリックっていうのは・・・そうです、漫画『金田一少年の事件簿』の学園七不思議殺人事件とかなんとかいうやつですw この話は自分で謎が解けた話で気に入っていたのですごく覚えていますが、こちらの単行本発行が1993年。一方『十字屋敷・・・』のノベルスが1989年発行とのこと。よくできてる話だと気に入ってたけど・・・パ○リだったのね・・・orz