シャムの王 ★★★☆☆ ゲーム紹介 2016年8月4日
カードを1枚ずつ出すだけの簡単なお仕事です

<基本情報>
【 タイトル 】 シャムの王(原題:King of Siam)
【 作 者 】 ペール・ジルフェスター,【プレイ人数】 2~4人【プレイ時間】 30分【 対象年齢 】 12歳以上【受賞歴など】 特になし【入手・プレイ状況】 ゲーム会でプレイ【個人評価(3人プレイ)】 ★★★☆☆
手番では基本、カードを1枚出すだけというゲームなのですが、シンプルゆえに
他プレイヤーの思惑と場の流れの読み合いが重要で、とても濃密なゲームでした。
特に3色ある党員コマについて、盤面にあるものはエリアごとの勝者を決するためにあり、
自分の手元に確保したものは自分がその色で勝つために必要、というシステムが
好みですね。場に残すか、場からとって手元に置くか、というジレンマが苦しくも楽しい。
(クニツィアの「魔獣の王(King of the Beasts)」もこういう点が好きなところでした。)
運の要素がないゲームなので好き嫌いは分かれると思いますが、思考系のゲームが
お好きな方におすすめの、良いゲームでした。【ゲーム内容】シャム王国の各エリアの権力闘争をコントロールし、派閥の支援者として勝利を目指します。
シャムはタイの旧名だそうですね。シャム猫のシャムですかね~。
ゲームボードは8つのエリアに分かれており、この地でラーマ派(黄)、ラオス派(赤)、マライ派(青)
の3つの派閥が権力闘争を繰り広げることになります。
各プレイヤーは、自分の手札から行動カードを出して各派閥の党員コマを配置したり動かしたりして
応援する派閥が効率良く各エリアを支配していくように仕向けていくわけです。
各プレイヤーが使用する8枚の行動カードは、全員同じ中身になっています。
そしてこの行動カードは一度使うと戻ってきません。全て使い捨てのカードです。
つまり各プレイヤーは、最大でも8回カードを出すだけ、ということになります。
(厳密には行動カードを出した後、駒を動かしたりするので考えどころはたくさんあります。。。)
全員が同じ行動カードセットを持ちます。そして概要カード(プレイの概要が載っているカード)を
ランダムに受け取り、それに該当する党員コマを受け取ります。
ゲームボード上には各エリアに該当する数の党員コマをあらかじめ配置しておきます。
加えて、各エリアの権力闘争(後述)の順番を決める地域タイルを順番に並べて置きます。
(ゲームボード左側に置き、上から順番に権力闘争が解決されることになります)
これで準備完了。
概要カードの数字が最も小さかったプレイヤーがスタートプレイヤーになりゲームを始めます。
各プレイヤーができることは行動カードを1枚出すか、パスをすることです。
パスをしても、次の手番でプレイをすることは可能です。
ただし、全員がパスをするとエリアの権力闘争解決を行います。
パスをしない場合、プレイヤーは手札から行動カードを1枚出します。
そしてその行動カードに描かれているアクションを実行します。

行動カードには、絶対に行わないといけない行動(アクション)が描かれています。
例えば、選択した2つの地域の党員コマを1対1や2対1で入れ替えるアクションや
ストック(在庫)から党員コマを各エリアに送り込むアクションなどです。
そしてアクションを実行した後に、好きなエリアから1つ、好きな色の党員コマを
自分の前に確保します。(絶対にしなければいけません)
このように、手番を行っていき、全員がパスをして手番を行うプレイヤーがいなくなったら
現在の権力闘争エリアの解決を行います。
例えば下の写真の場合、まだどのエリアも権力闘争の解決を行っていません。
ですので、ゲームボード左側の地域タイルの並んでいる一番上のエリアの権力闘争解決を
行うことになります。
権力闘争の解決は非常に簡単で、そのエリアの党員コマが単独で最多の派閥が
そのエリアの権力闘争を制し、そのエリアの支配者となります。
ただし、もし最多の派閥が2つ以上あった場合、大英帝国の侵略を許すことになり
そのエリアは大英帝国の支配エリアとなります。
なお、この時点ではあくまでも各エリアの支配勢力が決まるだけで、各プレイヤーが
確保している党員コマについては何も考慮されません。(最後のみ考慮して勝敗を決めます)

エリアの権力闘争が終わったら、また手番を続けていきます。
そして同じように全員がパスをしたら、次のエリアの権力闘争、というようにゲームが続きます。

最終的に、大英帝国が4つの地域を支配するか、または8回の権力闘争が終わったら勝者を決めます。

大英帝国が4つの地域を支配した場合、シャムが大英帝国の植民地になったことになります。
この場合は、3色の党員コマのセットを最も多く持っていたプレイヤーが勝者となります。
(赤、青、黄の3つで1セットとし、それが何セットあったかを競うわけです)
この勝敗の決まり方は稀だとのことです。
シャムが大英帝国の植民地にならなかった場合、ゲームは8回の権力闘争の解決後に終了します。
この場合シャムは、最も多くの地域を支配している派閥が統治することになります。
トップが同数の場合、そのうち、より後に地域を支配した派閥が勝者となります。
そしてこの場合、勝利した派閥の党員駒を、手元にもっとも多く確保していたプレイヤーが勝者です。
もしトップが同数の場合、その中で第2位の派閥を最も多く確保していたプレイヤーが勝者です。
それでも決まらない場合、その中でより最後に行動カードをプレイしたプレイヤーが敗者となります。

手番でやることは極シンプルなのに、遊びごたえのあるとても面白いゲームでした!
シンプルながら考えどころがしっかりあるゲームがお好きな方には特におすすめですよ!