*
i9n (インフォメーション) ★★★★☆ ゲーム紹介 2011年9月12日
石油の場所を推理するロジカルゲーム。石油掘りのドキドキも最高!

<基本情報>
【 タイトル 】 i9n(インフォメーション)(原題:i9n)
【 作 者 】 D.シュトロートマン【プレイ人数】 2~5人【プレイ時間】 30~60分【 対象年齢 】 10歳以上【受賞歴など】 特になし【入手・プレイ状況】 ゲームストア・バネストで購入【個人評価(2人プレイ)】 ★★★★☆
パンチカードの存在のおかげで推理の成否判定が完全システム化されており
いままでにない画期的なアイデアだなと思いました。そのため推理が外れたことで
クルードのように途中脱落することがなく最後までゲームに参加できます。
そしてパンチカードに棒を通すというのはゲームのテーマである採掘ともイメージが
似ており、その部分でもテーマとの一致を感じて馴染みやすく思います。
単純に、棒が通るかどうかのドキドキ感や、当たったときの嬉しさは
「楽しむためにゲームを遊びたい」といううちのゲームスタイルに合っていて好評でした。
もちろん、本質は結構ロジカルに考えて場所を絞っていかないといけないのでムムムと
頭をひねって考えるような地味~なゲームではあるんですが、穴掘りドキドキ感が
良い具合にゲームに華をそえているような印象を受けました。
また、発掘がどうもうまくいかないという場合のプランBとして、発掘権カードを
確保しておくことにより「勝ち馬に乗る」というような方法で得点を伸ばせるのも
なかなか面白いところだと思います。
短時間ゲームである点や、ゲームの醍醐味は採掘である点などを考えると
残念ながら「採掘権戦術」というほどインパクトがあるものとはいえず、あくまでも
プランB(次善策)だとは思いますが楽しみ方が増えるのはいいことです。
一方、そのほかのシステムの部分ではアクションポイントがサイコロの目であったり
採掘場所には自分のコマを動かさなくてはいけなかったりと、やや野暮ったいというか
洗練されていない部分もあるように感じました。ゲームの面白さを殺しているとまでは
感じませんでしたが、渋めの「ロジック・推理」という部分に水をさす程度の違和感は
感じましたので、評価が分かれる点かもしれませんね。
後半で述べた理由や、流通価格がそこそこ高めということを考えると誰にでもオススメを
できるゲームだとは思いませんが、うちではとても楽しめましたので★4つとしました。
あ~!また掘り掘りしたいなぁ!w
【ゲーム内容】i9nってなんじゃい、と思っていたのですが、他サイトさんで見たところinformationを
i+9文字(nformatio)+nだからi9nだそうです。
映画のタイトルとかだったらなんとなくカッコイイなぁとか思うのですが
(ミッションインポッシブル3とかをMI3みたいに略した感じですかね)
ゲームのタイトルとしては余りにも分かりにくいですよね。
そもそもなんて発音するんだろう?そのままインフォメーションなんですかね?
ショップさんに別件で問い合わせしたときには日本語読みでアイキューエヌって
おっしゃってましたけど、そのほうが通じやすい気もしますし。ややこしいなぁ。
さて本題ですが、このゲームは、ボード上で64箇所(8マス×8マス)あるエリアの
どこに石油があるかを推理して掘り当てていくゲームです。
なんといってもこのゲームで面白いのは石油を掘る際に専用ボードの穴へ棒を通すしかけ。
まるで本当に石油を目指してドリルで掘っているようなドキドキ感があります。
そのへんは、流れに沿って説明していきますね。
推理をしていく中で考慮すべきは「6つの特徴」であり、その特徴ごとに二者択一の
判断をしていきます。
6つの特徴と、それぞれの判断要素としては以下のとおりであり、
基本的には世界地図(ヨーロッパが基準・中心)を模したゲームボード上に
あらわされています。また、これに当てはまる採掘権カードがあります。
<1>北半球 or 南半球
<2>東側 or 西側
<3>極より or 赤道より
<4>大西洋 or 太平洋or
<5>陸地 or 海
<6>晴れ or 曇り
毎回、この中からそれぞれ片方ずつの特徴がゲームから除外されるため
残った方(ゲームで採用された方)の特徴の場所に石油があるということになります。
そしてこれらの特徴はゲームが進むにつれて積み重なっていくことになります。
例えば、ゲームが開始したときに<5>陸地という特徴が選ばれたとします。
このときは、陸地にあたる場所を掘れば全て石油が出る=当たり、となるわけです。
それぞれの特徴は必ず半分ずつですから、1つ目の特徴のときには64あるマスのうち
半分にあたる32のマスが当たりになります(つまり海ではない、ということですね)
次にもし<1>南半球、という特徴が該当したとすると、最初の<5>陸地という条件に
<1>南半球という条件が積み重なるので、「南半球の陸地」ということになります。
この時点で32に減っていたマスから、さらに北半球半分が除外された数=16マスが
当たりの場所として残っているわけです。
さらにゲームが進んだ場合に、もし<4>大西洋という特徴が選ばれた場合、これによって
また絞込みが進んでいくことになります。つまり石油があるのは
陸地 で 南半球 で 大西洋側 ということになります。
とまあ、こんな感じでだんだん絞込みがされていくわけですね。
しかもこの絞込みはプレイヤーから見えない形で進んでいくことになります。
それを可能にしているのがゲームで用いるパンチカードです。
先述の6つの特徴ごとに2枚ずつの相反するパンチカードがあり、それぞれ32の穴が
かぶらないように開いています。(下の簡略版で図解)

そして穴に棒を通す際には、これらパンチカードの上にプロセッサーカードをのせて
どの穴が当たりなのか分からないようにして行なうため、推理が必要なわけです。
これがプロセッサーカードです。これの下にパンチカードを重ねていきます。ゲームが進むにつれて穴の位置の違うパンチカードが重ねられるため、その時点での
当たりの穴がだんだん狭められていくことになります。
棒がその時点で重ねられている一番下のパンチカードを通過(つまり当たらずに通り抜け)
したら、その穴は無事石油が採掘された(当たり)となるわけです。
知っている情報や、過去の失敗した情報などをもとに推理をして棒を通すのです。
(以下の簡略図解をご覧下さい)

これがこのゲームの発掘の仕組みとなっているわけです。
なお、パンチカードは、ゲーム開始前の準備時点で全プレイヤーが2枚ずつランダムに
見て良いケースを除いて、ゲーム中は誰も見てはいけません。
ゲームボードの準備、カードの準備、コマの配置などと一緒にパンチカードの準備を
ルールブックどおりに行なえばゲーム開始まであと少し。
パンチカードの準備は初めてだと少し分かりにくいですが、ルールブックどおりやれば
ちゃんと6つの特徴から今回のゲームで使われる側の特徴のみがしっかり選び出される
ようになっていますので、ルールブックを信じてそのとおりやってみてください(笑)
先述のように、パンチカードをゲーム中に見ることはできませんが、ゲーム開始前に
各プレイヤーが2枚ずつランダムに覗き見ることができます。この2枚の情報は自分
だけが知る情報となりますので、しっかり頭に留めておき推理の手助けにします。
準備が完了すればゲームスタートです。
ゲームは6つのフェイズからなっており、各フェイズでは一定数の石油が発見されると
次のフェイズに以降します。序盤のフェイズで発見した石油ほど点数が低く、あとの
フェイズで発見された石油ほど高得点になります。
各フェイズの最初に、パンチカードを誰にも見えないようにして1枚取って
プロセッサーカード(一番上に置かれている64穴のカード)の下に入れます。
フェイズが進むにつれ、パンチカードが置かれるごとに石油のある場所は
半分、半分、半分と、絞られていくことになります。最後のフェイズでは
6つの特徴を併せ持つただ1つのエリアのみが石油の採掘成功となります。
手番ではサイコロ(1~3の目があります)を振り、出た目が今回行なえる
アクションポイント数となります。
アクションポイントを使って行なえるアクションは以下の3つで、任意の組み合わせで
行なうことができます。
(1)コマの移動
(2)採掘権カードの売買
(3)石油の採掘
(1)コマの移動1アクションポイント消費するごとに、自分のコマ(探鉱者)を1マス動かすことが
できます。縦か横に1マスであり、斜めはダメです。
1アクションで2つのコマを動かしても構いませんし、1つしか動かさなくても良いです。
ただし、1つのコマを2マス動かすのは2アクション必要ということになります。
同じマスに複数のコマがいても大丈夫です。また、ボードの左右は、それぞれ地球と
同じで繋がっているとみなしますので、ボードの端を飛び出るような移動をすればボードの
逆側から出てくることになります。
(上下も繋がっている、と間違えていたので修正しました。ご指摘ありがとうございました。)※後ほど出てくる「採掘」の条件で、「そのマスに自分のコマがあること」が必要と
なりますので、自分が狙った場所に向けて移動をする必要があります。
(2)採掘権カードの売買採掘権カードを購入したり売却したりできます。購入も売却もその支払いには
アクションポイントを費やすことになります。つまり購入によりアクションポイントが減り
売却によりアクションポイントが増える、ということです。(持ち越しはできませんが)
採掘権カードとは石油の場所の特徴になっている6つの特徴を表示してあるカードで
各特長ごとの両方(例えば北半球と南半球)の分があるので、合計12種類となります。
それが各3枚ずつありますので、総計36枚ですね。

で、このカードの主な用途は名前のとおり「採掘権」です。これがないと採掘ができません。
後で説明する(3)石油の採掘の際に、その採掘をしたい場所の特徴を持った採掘権カードを
使わないといけないのです。
採掘権カードの価格はそのカードの人気(需要と供給)によって決まります。
先述のように同じカードが3枚ずつあるのですが、購入するときのコストは
「すでに買われているカード枚数+1」となっており、例えば1枚売れて2枚残っている
カードがあったならば、それを購入する際には「買われている数=1」+1=2となります。
2枚買われていたカードであれば2+1=3ですね。
一方、持っているカードを売却してアクションポイントを稼ぎたい場合は、買われている数
そのものが価格となります。例えば、先ほどの例で1枚買われているカードがあったとしたら
そのカードを売りたいときは「買われている枚数=1」がそのまま獲得できる価格なのです。
買われたカードはカード置き場から買ったプレイヤーの手元に移動します。
売られたカードはプレイヤーの手元からカード置き場に移動します。

また、採掘権カードは売買以外に他のプレイヤーと交換することもできます。
この場合相手は拒否できません。ただし自分の採掘権カードが相手の採掘権カードより
現時点での相場が高い(価値が高い)ものでなくてはいけません。
交換の場合はアクションポイントを消費することはありません。
なお、採掘権カードはゲーム終了時に点数になる場合があります。ですので単に採掘するため
だけに持っておくのではなく、得点を増やすために持っておくこともできるわけです。
(3)石油の採掘石油の採掘は、このゲームのメインとなるアクションです。
採掘する場合は、サイコロの目から1を減らした数分のアクションポイントを消費します。
例えばサイコロの目が3なら3-1=2ですので、2アクションポイント必要となります。
採掘をする場合には
「採掘したい場所に自分のコマがあること」「その場所の特徴を有する採掘権カードを1枚消費すること」「採掘制限のある場所でないこと」が必要です。
※採掘制限とは、採掘成功後にその同じ場所や隣接する場所を同じフェイズ又は
次のフェイズの間は採掘できないというルールによるものです。詳細はマニュアルで。これらを満たしていれば、その消費するカードを一旦ボード上にある「債権預託」場所に置きます。
ここは採掘の成否によって採掘権カードの行方が確定するまでの仮の置き場です。

そしてその採掘するボードに書いてある座標を確認し、プロセッサーカードの該当する座標の
場所へ採掘棒を突き刺します。

棒が下まで突き抜ければ採掘成功!
残念ながら途中でパンチカードに当たってしまえば採掘失敗。そこには石油はありません。
その場所に、成功した場合は油井のコマを置き、外れた場合はSTOPタイルを置きます。
油井のコマはピン状のコマに点数となるコンテナ(ドーナツ型のチップ)がはまっており
ゲームの最初に規定分用意しておきます(最初に説明忘れてていまさらゴメンなさい)。
誰が発掘した油井かわかるように、自分の色のリングをつけておきます。
また、一旦仮に債権預託として置かれた採掘権カードは、採掘成功ならそのまま置いておき
ゲームに二度と戻りません。採掘失敗ならそのカードの共通の置き場に戻されますので
誰もが再度購入することができるものになります。
油井にはまっているコンテナの数がそのまま点数なのですが、ゲーム序盤のラウンドのほうが
コンテナの数が少なくて低得点、ゲームが進むにつれてコンテナ数が増えて高得点となります。
1ラウンドで掘り当てた場合は1点ですが、最終ラウンドで掘り当てれば6点になります。
ゲームが進むにつれてだんだん油井の数が増えていきますね。ちなみに実際の油井(ゆせい)の見た目はこんな感じです。これは海上のものですが
油井コマとなんとなく似ていると思いません?w

以上のように自分の手番で与えられたアクションポイント分のアクションを行えば
次のプレイヤーに手番が移り、そのプレイヤーはサイコロを振って・・・と
ゲームは続いていきます。
各ラウンドにあらかじめ用意された規定数の油井が掘り当てられれば次のラウンドになります。
新しいラウンドになるたびにパンチカードの枚数が増え、石油のある場所が絞られていきます。
そして最終ラウンドである6ラウンド目の油井が発見されればゲーム終了です。
6ラウンド目になると6つの条件全てに当てはまるただ1つのマスを当てなければいけないので
これまでの情報をもとに推理をし、ぜひ見つけてください!
推理が当たっていて棒がスーッと通った瞬間、メチャうれしいですよ!
初ゲームのときは僕やおきんが最後の油井を掘り当て。すでに油井があった場所にありました。ゲーム終了したら得点計算です。
自分が発見した油井にあるコンテナの数を足します(自分の色のリングは数えません)。
次に
「最後に発掘された油井」の条件に当てはまり、自分が持っている採掘権カードの
枚数を数えてそれを足します。
この合計が最終的な点数となり、最も多い人が勝者となります。
同点の場合はその中で最も価値の高い油井(コンテナの数が多いもの)を確保した人が
勝者となります。
2人プレイの初ゲームではやおきん16点、まっきゃん10点で僕が勝利しました。
準備やゲームの説明が少し面倒ですが、慣れてしまえば1時間かからなさそうですし
なんといっても発掘のドキドキ感がたまりません!また遊びたいですね。